2138養護教諭のための発達障害児の学校生活を支える教育・支援マニュアル
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  3.保健室にて46保健室登校とは 「学校には登校するものの,常時保健室にいるか,特定の授業に出席できても学校にいる間は主として保健室にいる状態であり,当該児童生徒が教室に復帰するために教育活動の一環として行うものである.よって,保健室に隣接する部屋で,おもに養護教諭が対応している場合を含む」と定義されている1).保健室登校の現状―実態と発達障害との関連― 保健室登校の背景には,親子関係,学習のつまずき,対人関係トラブルなど,心理的,情緒的,身体的,社会的な要因などその背景はさまざまである.平成23年度保健室利用状況に関する調査2)によると,保健室登校の児童生徒がいた学校は,小学校28.5%,中学校41.6%,高等学校37.3%であり,5年前に実施した同調査の結果より減少傾向にある.その理由としては,校内体制での支援の充実が進展し,別室登校などが増加したこともその要因として考えられる.しかし,養護教諭が全く関与していないわけではなく,別室登校の子どもたちに対しても,何らかの支援を行っているのが現状である. 近年,発達障害の二次的障害として,不登校がある3)など,不登校の背景に発達障害をかかえている子どもが存在する可能性が高いことや関連性があることが多くの研究で報告されている.発達障害をもつ子どもたちは,先天的な機能の不具合から学習を行ううえでの困難さ,対人関係の不器用さをかかえている.学校生活の多くが学習活動や集団活動であることを考えると,当然ながら健常児よりも多くのストレスや自ポイント保健室の機能および養護教諭の専門性を活かした保健室登校の受け入れと校内体制の構築特性を捉えた保健室登校へのステップ身体問題,認知特性などのアセスメント結果に基づいた専門機関(医療,福祉など)との連携特性や身体問題に配慮した保健室内環境の整備3.保健室にて各論1 イベント別事例1保健室登校

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