2165熱性けいれん診療ガイドライン2015
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各論38る11)(▶ 2)レベル.呼吸や循環合併症はミダゾラム口腔投与とジアゼパム注腸で有意な差はみられていない10,11)(▶ 2)いずれもレベル.ミダゾラム筋注とジアゼパム静注またはロラゼパム静注のランダム化比較試験では,ミダゾラム筋注はジアゼパム静注やロラゼパム静注と同等以上の有効性があると報告されている4,12)(▶ 2)いずれもレベル.呼吸障害などの安全性はミダゾラム筋注とジアゼパム静注やロラゼパム静注で差はなかったと報告されている4,12)(▶ 2)いずれもレベル.ミダゾラム鼻腔投与とジアゼパム静注のランダム化比較試験では,病院到着から発作停止までの時間はミダゾラム鼻腔投与のほうが短かったとの報告5)(▶ 2)レベル,ミダゾラム鼻腔投与はジアゼパム静注と同等の効果があったとの報告がある6)(▶ 2)レベル.システマティックレビューにおいても,ミダゾラムの鼻腔投与,筋注はジアゼパムの静注と同等の効果があり,早く投与ができるため早く効くことが報告されている13~15)(▶ 1)いずれもレベル.またミダゾラム口腔投与はジアゼパム注腸と同等以上の効果があり,早く効くことが報告されている13~15)(▶ 1)いずれもレベル.以上から,ミダゾラムの鼻腔投与,口腔投与,筋注,ジアゼパムの注腸は静脈ラインが確保できていない小児における発作の治療として有効と考えられる.ただし,てんかん重積状態に適応のあるミダゾラム静注薬は10mg/10mLと希釈倍率が高く,投与総量が多くなるため鼻腔投与,口腔投与がしにくくなる可能性がある.鼻腔・口腔投与用製剤,注腸用製剤の臨床試験および市販,ミダゾラム筋注の適応拡大が期待される.ジアゼパムの固形の坐薬は有効血中濃度に達するのが投与後約30分と報告されており9)(▶ 4)レベル,早急に発作を止める目的には向かないが,施設の体制や安全上から静注薬の使用が困難な場合はジアゼパム坐薬を使用しておくことで二次医療機関へ搬送する間に効果がみられる可能性がある.なお,抱水クロラール坐薬と注腸用キットは日本において「静脈注射が困難なけいれん重積状態」の適応が認可されている.特に抱水クロラール注腸用キットは液剤を直接注腸できるので速効性が期待される.ただし,2014年12月時点においては軽症胃腸炎に伴うけいれん群発などに使用した報告はあるが,小児のてんかん重積の第一選択薬としての多数例の検討はまだみられない.文献検索式 PubMed Status Epilepticus[majr]/drug therapy AND Anticonvulsants[mesh] Filters:Clinical Trial;Randomized Controlled Trial;Systematic Reviews;Publication date from 1983/01/01 to 2013/12/31;English;Japanese;Child:birth-18 years Status Epilepticus AND midazolam Status Epilepticus AND lidocaine 検索結果 457件 医中誌 ((てんかん重積状態/TH)and((熱性けいれん/TH or 熱性けいれん/AL)))and(PT=会議録除く) 検索結果 125件

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