2191基礎からわかる女性内分泌
10/12

166卵胞のリクルートが停止し無排卵となる.また,発育した卵胞の顆粒膜細胞より分泌されるエストロゲンが欠乏するため,エストロゲン欠乏による子宮内膜増殖不全をきたし,排卵後に形成される黄体由来のプロゲステロンも欠乏するため,無月経となり閉経する. 通常,生理的には50歳頃にこのような変化が起こり女性は閉経を迎えるが,染色体異常,遺伝子異常(FMR1,FOXL2など),自己免疫異常,医原性(卵巣手術,化学・放射線療法)などの原因により早期に卵胞の減少が生じ,残存原始卵胞数が1,000個以下となって卵巣性無月経となるのが,早発卵巣不全の本態である.しかし,原因不明の症例も多く,すべての病態が解明されているわけではない.1)診断基準 現在のところ,国際的に定まった診断基準は診断原始卵胞ゴナドトロピン非依存性一次卵胞前胞状卵胞胞状卵胞排卵前卵胞ゴナドトロピン感受性ゴナドトロピン依存性排卵 図1 two cell two gonadotropin theoryによる卵巣における性ステロイドホルモン合成経路 図2 卵胞発育のゴナドトロピンの依存性変化アンドロステンジオンアンドロステンジオンコレステロールプレグネノロン17−OHプレグネノロンCYP17CYP11A1cAMPPKALHCYP173βHSDエストロンエストラジオール血液卵胞液PKAcAMPFSHP450arom17βHSD1基底膜顆粒膜細胞莢膜細胞コレステロールLH受容体FSH受容体

元のページ 

page 10

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です