2203亀田総合病院KAMEDA-ERマニュアル改訂第3版
7/10

4ERでの気道確保はじめにERでの気道確保は,以下の点で手術室における全身麻酔のための気道確保とは異なることを理解する必要がある. ・ 患者が呼吸不全であることが多い. ・ full stomachである. ・ 頸椎保護が必要なことがある. ・ 準備を秒から分単位で行う必要がある. ・ 気道確保を延期できない.したがって,考えられる状況をあらかじめ想定し行動することが求められる.また,近年気管挿管に関わるデバイスの開発が進んだことにより,気管挿管の手段は多様化してきている.それぞれのデバイスの利点と欠点を十分に理解したうえで,患者特性に合わせた方法を選択することができればより安全で確実な気道確保が可能になる.気道確保の実際従来標準的な気道確保の方法として,rapid sequence intubation(RSI)があったが,当時と比較し薬剤もデバイスも変化したことで気管挿管がより安全に応用されるようになった. 1 RSIの原則. 1) 高濃度酸素投与下に,自発呼吸にて酸素化が保たれていればバッグ換気は行わない. 2) 挿管困難予測例以外は筋弛緩を行う. 2 RSIの7つのステップ(7つのP). 1) 準備(Preparation):記憶法"SOAP-ME"によって不足のないよう入念な準備を行う.この時,患者の頭部周囲にある点滴棒などを移動し,スペースを作り,患者の頭の位置,台の高さを手技者にとってもっとも行いやすい位置に調節し,より動きやすい環境を作っておくことも忘れてはいけない. ・ S:Suction(吸引器). ・ O:Oxygen(酸素投与). バッグバルブマスク:酸素がつながっていることを確認する. ・ A:Airway equipment(気道管理物品). 挿管チューブ:事前にカフ漏れがないか確認し,スタイレッ4 ERでの気道確保7I-4ERでの気道確保I-3心拍再開後のケア

元のページ 

page 7

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です