2220よくわかる 子どもの喘鳴診療ガイド
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5. 気管支喘息155表3 小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン(2~5歳)治療ステップ1治療ステップ2治療ステップ3治療ステップ4基本治療発作の強度に応じた薬物療法ロイコトリエン受容体拮抗薬*1 and / orDSCG and / or吸入ステロイド薬(低用量)*2吸入ステロイド薬(中用量)*2吸入ステロイド薬(高用量)*2以下の併用も可・ロイコトリエン受容体拮抗薬*1・テオフィリン徐放製剤・長時間作用性β2刺激薬の併用あるいはSFCへの変更追加治療ロイコトリエン受容体拮抗薬*1 and / orDSCGロイコトリエン受容体拮抗薬*1長時間作用性β2刺激薬の追加あるいはSFCへの変更テオフィリン徐放製剤(考慮)以下を考慮・吸入ステロイド薬のさらなる増量あるいは高用量SFC・経口ステロイド薬DSCG:クロモグリク酸ナトリウムSFC:サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル配合剤*1: その他の小児喘息に適応のある経口抗アレルギー薬(Th2サイトカイン阻害薬など)*2:各吸入ステロイド薬の用量対比表(単位はμg / 日)低用量中用量高用量FP:フルチカゾンBDP:ベクロメタゾンCIC:シクレソニドBUD:ブデソニドBIS:ブデソニド吸入懸濁液FP,BDP,CIC~100~200~400BUD~200~400~800BIS~250~500~1,000①長時間作用性β2刺激薬は症状がコントロールされたら中止するのを基本とする.長時間作用性β2刺激薬ドライパウダー定量吸入器(DPI)は自力吸入可能な5歳以上が適応となる.②SFCへの変更に際してはその他の長時間作用性β2刺激薬は中止する.SFCと吸入ステロイド薬の併用は可能であるが,吸入ステロイド薬の総量は各ステップの吸入ステロイド薬の指定範囲内とする.SFCの適応は5歳以上である.③治療ステップ3の治療でコントロール困難な場合は小児の喘息治療に精通した医師の下での治療が望ましい.④治療ステップ4の追加治療として,さらに高用量の吸入ステロイド薬やSFC,経口ステロイド薬の隔日投与,長期入院療法などが考慮されるが,小児の喘息治療に精通した医師の指導管理がより必要である.〔濱崎雄平,河野陽一,海老澤元宏,ほか(監修),日本小児アレルギー学会(作成):小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012,協和企画,2011〕表2 治療前の臨床症状に基づく小児気管支喘息の重症度分類重症度症状程度ならびに頻度間欠型・年に数回,季節性に咳嗽,軽度喘鳴が出現する.・時に呼吸困難を伴うこともあるが,β2刺激薬の頓用で短期間で症状は改善し,持続しない.軽症持続型・咳嗽,軽度喘鳴が1回/月以上,1回/週未満.・時に呼吸困難を伴うが,持続は短く,日常生活が障害されることは少ない.中等症持続型・咳嗽,軽度喘鳴が1回/週以上.毎日は持続しない.・時に中・大発作となり日常生活が障害されることがある.重症持続型・咳嗽,軽度喘鳴が毎日持続する.・週に1~2回,中・大発作となり日常生活や睡眠が障害される.最重症持続型・重症持続型に相当する治療を行っていても症状が持続する.・しばしば夜間の中・大発作で時間外受診し,入退院を繰り返し,日常生活が制限される.〔濱崎雄平,河野陽一,海老澤元宏,ほか(監修),日本小児アレルギー学会(作成):小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012,協和企画,2011〕

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