2231続・イメージからせまる小児神経疾患50
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103運動障害,むせこみ同胞(兄)に異常なし.周産期に異常なし.生後2カ月頃より頭部を後ろに反らすような姿勢をとるようになった.1歳には膝立ち,ハイハイができていたが,少しずつできなくなり,元気がなくなり,泣き声も小さくなった.1歳1カ月嚥下時にむせこむようになったため,精査のため入院.四肢に自発的な動きはみられたが,弱々しかった.頭部MRI(図1)で病変が指摘され,後頭下開頭で生検が行われた(病理組織①,口絵カラー35).術後,放射線照射が行われた.神経症状は改善し,経口摂取も可能となった.伝い歩きもできるようになり,言語でも語彙が増加した.MRIでも病変の縮小・改善傾向が確認された.3歳9カ月頃から突然,活動性が低下し,経口摂取もできなくなった.頭部単純CT所見(図2)から病変の再発が疑われた.脳室腹腔シャントを実施したが,病変内に出血が出現した.後頭下開頭で病変切除,血腫除去,脳室ドレナージが行われた(病理組織②,口絵カラー36).3歳11カ月死亡,剖検が行われた.主 訴家族歴現病歴問題1 頭部MRIの所見は?問題2 頭部単純CTの所見は?問題3 診断は?運動障害・嚥下障害で発症し2年11カ月の経過で死亡した3歳女児45図1 頭部MRI T1強調像(1歳)a:矢状断,b:軸位断ab図2 頭部単純CT(3歳)cd

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