2232リハビリテーション基本実技OT版
5/6

治療のポイント①作業療法の開始時は,不安の軽減,情緒の安定,生活のリズム作りを目的とする.作業の注意点は,単純であること,集中力が続く20分~30分程度,常に柔軟性が必要である.場合によってはADLや筋力強化も必要である.②作業の目的や意義を考えて行うことが重要である.たとえば,カルタは「目と手の協調」「記憶力の賦活」「意欲の改善」「楽しい時間の提供」「集中力の改善」「手指巧緻性の改善」「座位耐久性の改善」などの要素を考慮する.③認知症高齢者への一般的な対応は,「命令しない」「叱らない」「否定しない」「柔軟(臨機応変)に対応すること」が大切である.国家試験対策のヒント 認知症のスケールを覚えておこう.115D 認知症疾患・障害別作業治療学OT第3章AdviceAdvice人,作業,環境の側面から原因やプログラムを考え,患者の尊厳を尊重する小さすぎるピースや曖あい昧まいな図柄のパズルなどの複雑な作業は苦手である.トランプはなじみがないことが多く,導入するときは,確認が必要である認知機能だけでなく身体機能の維持改善も必要である.棒体操などの軽めの負荷の運動を取り入れることも重要である知的機能検査一覧質問法MMSE(Mini—MentalStateExamination)HDS—R(長谷川式簡易知能評価スケール改訂版)N式精神機能検査ADAS(Alzheimer’sDiseaseAssessmentScale)CDT(clockdrawingtest)観察法柄澤式「老人知能の臨床的判断基準」CDR(ClinicalDementiaRating)FAST(FunctionalAssessmentStaging)NMスケール(N式老年者用精神状態尺度)GBSスケールBehaveAD(BehavioralPathologyinAlzheimer’sDisease)TBS(TroublesomeBehaviorScale)認知症高齢者の日常生活自立度判定基準ランク判定基準Ⅰ何らかの認知症を有するが日常生活は家庭内および社会的にほぼ自立しているⅡ日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少みられても,誰かが注意していれば自立できるⅡa 家庭外でみられるⅡb 家庭内でもみられるⅢ日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さがみられ,介護を必要とするⅢa 日中を中心としてみられるⅢb 夜間を中心としてみられるⅣ日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁にみられ,常に介護を必要とするM著しい精神症状や周辺症状あるいは重篤な身体疾患がみられ,専門医療を必要とする

元のページ 

page 5

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です