2235筋強直性ジストロフィー 改訂第2版
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77第10章 現在での対処と治療ざまな医学的な問題が,患者さんによっては筋力低下と同様に,もしくはそれ以上に,困ることであり,もしも知られずに治療されなかったら,筋肉の症状が重くはない患者さんにさえも危険なことがあります。そのような一般的な面を定期的にチェックしていくことが必須です。そうしたことは神経内科医にも筋疾患の専門家にも無視されてはなりません。 表10.2に対応と治療が必要な,重要な医学的(内科的)問題をまとめます。第4章でより詳しく述べましたので,ここでは治療の内容に関して若干述べるにとどめます。■ 心臓の問題 必要な治療は,リズム障害(不整脈)の種類によります。心臓の専門家に決めてもらうのがよいです。薬で規則的なリズムが戻ったり維持できなかったりするなら,電気的な治療が必要なこともあります(訳注:心房粗動には,カテーテルによるアブレーションが行われることも多くなっています)。伝導が遅くなる「心ブロック」にはペースメーカーが必要なこともあります。ペースメーカーは症状が出る前に入れるべきなのか,症状が出るまで待つべきなのか,かなり議論があります。ついでにいうと,こうした処置が怖いと思うなら,高齢や虚弱な患者には行われることが多いのですが,よい結果をもたらしていること,とにかく筋強直性ジストロフィーの僅かな患者さんでしか必要とされないことを忘れないでください(訳注:僅かな患者さんで,完全房室ブロックになって徐脈による失神発作や心不全が生じることがみられます)。表10.2 内科的な問題の対応と治療問題対応・治療心臓定期的な心電図検査,必要なら精密検査。不整脈を直す薬,適応があれば心臓ペースメーカー。胸部(呼吸)食物や水分が肺に入ってしまうのを防ぐこと。感染には早くに抗菌薬。必要なら,夜間に補助換気(非侵襲的陽圧換気;NPPVないしNIV)。胃腸症状腹痛や過敏性腸症候群には,鎮痙剤(訳注:本文参照)。日中過眠呼吸機能が低下していないか,確かめる。モダフィニルのような特異的薬剤が有効なことがある。糖尿病食事の変更。インスリンは不要なことが多い。白内障眼科手術で良好な結果。

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