2235筋強直性ジストロフィー 改訂第2版
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22 筋強直性ジストロフィーで起こりうるおもな心臓の問題は,心拍の伝導に障害があることです。これは,ふつう心臓の大部分がまだ正常なときに,心筋(心臓の筋肉)の小さな領域(刺激伝導組織)が障害されることによって生じます。その結果,心拍が速くなりすぎたり,遅くなりすぎたり,不規則になったりすることがあります。いずれの場合も,心臓の機能に問題が生じ,息苦しさやめまい,失神,動悸などが起こります。胸痛はあまり多くありません。これらの症状のいずれかがあらわれたら,重大なことと考えてきちんと検査をする必要があります。検査には,いつも心電図が含まれ,状況によってはほかの心臓の検査が必要になります。もし,心臓の専門医(循環器科医)か病院の医師(内科医)が診察する場合は,あなたが筋強直性ジストロフィー患者であることを知らせなければなりません(彼らはこの病気についてよく知らないかもしれませんので,関係ある情報を彼らに伝えるのは価値があります)。もし,あなたが神経内科医に診てもらっていれば,彼らがこの病気の心臓のことを忘れていないということが大切です(なぜならそれは,彼ら自身の診療の領域でないからです)。 心臓の伝導の問題は,大部分は満足できるほど治療可能ですが(第10章参照),一番はじめの段階で予防できればそれに越したことはありません。運のよいことに,心電図は起こりそうな問題を事前に見抜く単純な方法で,軽度の伝導の遅延がある場合は特にそういえます。このような理由から,心電図はすべての患者に対して診断がついたときと,おそらくその後,年に1回の頻度で行われるべきです。心電図が正常であれば近い将来に重大な心臓の伝導の問題が起こる可能性は少なくなるといえます(除外はできませんが)。また,心電図を毎年記録していれば,年ごとの記録を比較することができます。骨格筋の問題が比較的軽い患者でも,心臓の障害は起こりうるということを認識していることは重要です。 筋強直性ジストロフィーでは,肺は直接に障害されることはありませんが,呼吸筋(横隔膜と肋間筋)は障害されます。その結果,いろいろなことで問題が起こる可能性があります。第一に,呼吸筋の筋力低下により咳をして胸部から分泌物を一掃することが難しくなり,胸部の感染症を繰り返すことになります。これは,症状がより重度な患者にたいていみられます。しか胸と肺C

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