2246ゴーシェ病UpDate
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C 臨床症状30割合が高いと考えられる3). グルコセレブロシダーゼ(glucocerebrosi dase)[酸性β-グルコシダーゼ(acid β-glucosidase)]遺伝子は1番染色体の長腕(1q21)に存在している. 遺伝子変異については地域や人種による違いが報告されており1),各国における特徴として,アルゼンチン,イスラエル,米国ではN370S/N370Sが最も多く報告されている1,4).また,オーストラリア,ブラジルではN370S/L444Pが多くみられ,ギリシャではN370S/D409Hが,エジプト,日本,メキシコ,ポーランドではL444P/L444Pが,韓国ではL444P/D409Hが報告されている1).ゴーシェ病における遺伝子変異と臨床症状の相関は多くの症例で検討されており,ある程度の相関性が報告されている.ゴーシェ病全体では62%にN370Sの変異がみられ,すべて神経症状を伴わない1型である.また,ユダヤ人の多くは1型であり,69.8%にN370Sの変異を認め,肝脾腫や骨症状な遺伝子異常図3ゴーシェ病における骨病変両側の大腿骨頭の変形を認める(a).ゴーシェ病における骨病変には骨痛,骨壊死(大腿骨頭部に最も多い),骨変形[特に遠位大腿骨,エルレンマイヤーフラスコ変形(b)],骨膜反応,骨クリーゼ,骨膜炎,関節痛,病的骨折(c)などがある.abc図2腹部CT所見a:ERT施行前の所見.腹腔から骨盤腔にまで腫大した著明な脾腫を認める.b:ERT施行3年経過時の所見.脾臓の一部に線維化が認められるものの,ERT開始後,脾腫の著明な縮小を認める.ab

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