2260小児けいれん重積治療ガイドライン2017
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24医療機関受診時にけいれん発作が続いている場合,最初に試みるべき治療は何か推奨1.第一選択薬としてミダゾラム注もしくはジアゼパムの静注を行う.1回静注で発作収束しない場合は,5分後に同量を静注することができる2.血糖値を迅速測定し,低血糖があれば速やかにブドウ糖の補充を行う注: 推奨文1.のグレード分類に関しては,ミダゾラムを第一選択薬として行った質の高い研究報告がないが,日本でのSEに対する治療の実情と,ガイドライン策定ワーキンググループの総意にて,推奨グレードAとした.投与量◦ミダゾラム(ミダフレッサⓇ)  0.15mg/kgを1mg/分の投与速度で静脈内投与  追加投与は0.1~0.3mg/kgの範囲内で,総量0.6mg/kgは超えない◦ジアゼパム(セルシンⓇ,ホリゾンⓇ)  0.3~0.5mg/kgを緩徐に静脈内投与(添付文書では小児用量の規定はない)(薬剤添付文書より引用)欧米のガイドライン1-7)では,医療機関における第一選択薬はベンゾジアゼピン系が推奨されている.経静脈投与の場合,ジアゼパム(DZP)とロラゼパム(LZP)が同列に推奨されていることが多い.ミダゾラム(MDL)は,静注1, 2, 4, 6),筋注1-6),鼻腔内・頰粘膜投与2, 6, 7)が初期治療の選択肢として各国のガイドラインに記載されている.従来,日本ではSEに対する第一選択薬としてDZPの位置付けが確立していたが,1990年代以降,MDL静注製剤がSE治療に使用されるようになった.2014年にミダフレッサⓇが「てんかん重積状態」を適応症として認可され,現在はMDLとDZPの静注製剤が使用可能となっている.DZPとMDL静注の発作抑制効果について直接に比較した報告はない.LZP静注薬は日本では未認可で現在治験中である.MDLが水溶性であることから,持続静注による発作抑制効果の維持が可能であることが評価されている.また,経静脈以外のルートで使用できることもMDLの使用範囲拡大CQ2推奨グレードA推奨グレードA▶▶▶解説

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