2268脳血管内治療の進歩2017
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1851dAVFの塞栓の際,ハイドロフィルなら同等のコイルの中で一番体積を稼げると思うのですが,先生方のご意見はいかがでしょうか?•確かにSinus packingにおいては効果的と思いますが,カテーテルのkickbackも強いので,カテーテルコントロールが行いやすい状況下で使っています.また医療経済的な観点から安価なpushable coil(Nesterなど)を使用することも多いです.(佐藤 徹)•hydrocoil,ペナンブラコイル,柔らかい18コイルなど状況に合わせて使い分ければよいと思います.(津本智幸)•確かに体積を稼ぐ観点からは最も効率的なコイルと思います.いわゆる表面加工型コイルにおいては,その塞栓性とハンドリングやしなやかさ,柔らかさとがトレードオフの関係にあるため,dAVF塞栓術の様々な局面において,それぞれのコイルを適切に選択して使用したほうがよいでしょう.(長谷川 仁)2治療後にMOMAを抜去する際に外頚用のバルーンがステントストラットに引っかかったことはないでしょうか?•現在まで50例以上に使用し,close-cell,open-cell stentの使用比率も半々ですが一度も引っかかったことはありません.外頚のシャフトが太いことと,エラスティックラバー製の先端バルーンのデフレーションがよいことが影響していると思います.(榎本由貴子)•Open-cell stentを使用した場合に経験があります.ステントのストラットとバルーンが干渉するためと思われます.われわれの経験では幸いMOMAを強く牽引することで抜去できましたが,その際,特にopen-cell stentでは外頚バルーンのシャフトによりステントが完全に開いておらず,プラークを押さえていない可能性があるため,MOMAが完全に抜去できるまで,遠位塞栓防止デバイスを展開させておくことも留意しておく必要があります.(長谷川 仁)3Sinus内のコイルパッキングは結局のところoutlet occlusionでのAVF治療ですが,長さと太ささえサイズが合えば,ラディアルフォースのあるステントでsinus脇のシャントのあるスペースを圧迫して治癒させる,こんなことをやった先生はいらっしゃいますか?•ノンコンプライアントバルーンを罹患静脈洞で最大拡張させた場合,シャント部圧迫によるシャント消失やシャント量減少を認める場合があります.ただ,複雑な形状をした静脈洞に確実に適合する径のステ2016年6月30日~7月2日脳血管内治療ブラッシュアップセミナー2016で会場から寄せられた質問をもとに厳選し,エキスパートの先生方に回答いただきました(順不同).坂井信幸(神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科)吉村紳一(兵庫医科大学脳神経外科学講座)監 修榎本由貴子(岐阜大学医学部脳神経外科)佐藤  徹(国立循環器病研究センター脳神経外科)立嶋  智(UCLA Medical Center)津本 智幸(九州医療センター脳血管内治療科)長谷川 仁(新潟大学脳研究所脳神経外科)早川 幹人(国立循環器病研究センター脳血管内科)回答者誌上回答コーナーエキスパートが    あなたの疑問に答えますズバリ!

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