2268脳血管内治療の進歩2017
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II 特別企画「臨床医のニーズを製品に」71ることを考えていた.富士システムは脳血管内治療デバイス販売の実績もなく,宣伝力もない(さらにCELLOTMに資本を投入するのはHIGH RISKだと考えていたようであった).状況打開のため,国際学会を利用してこのカテーテルの有用性を世に問うこととした.2009年6月に脳血管内治療分野最大の国際学会であるWFITN(The World Federa-tion of Interventional and Therapeutic Neurora-diology)がカナダのMontrealで開催され(図4),この年のSymposium on Innovations and Progress in Neuro-Endovascular Therapiesというシンポジウムで,筆者のポスターは幸いなことにこのシンポジウムに採択された(図5).多くの人の目に触れるよう,あえてポスター発表としたのである. 資金がなく,展示ブースは持てないため,ポスター発表にも工夫をこらしたところ,参加者が通るよい場所に掲示された(図6).すると,会期中に複数の世界的大企業から連絡があった.世界的販路の目算がついたことで量産体制に入り,2009年7月に製造販売承認取得.2011年4月にCE marking(CE mark)取得.同時に欧州への販売が開始され,欧州での学会ブース等で大きく取り上げられた(図7).2012年8月にFDA-510(k)取得.翌9月には米国への販売が開始されたのである.表1 試作品段階での特徴① Tipless 構造(図1)② 16mmまで拡張③ 破裂してもfragmentationしない④ エア抜きが確実かつ容易⑤ コアキシャル構造(図2)⑥ 平角形ステンレスブレード(図3)図1  Tipless 構造図2 コアキシャル構造図3 平角形ステンレスブレード図4 WFITNのポスター

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