2275国立成育医療研究センター 基本から実践まで!! すぐに役立つ 医療保育実践マニュアル
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10 当センターでは「遊び」「生活援助を含む日常生活場面」「家族支援」のことを保育活動としています.これらを実施するうえで基本的な留意事項を以下に示します.情報収集,準備,保育活動の実施,報告の4つに分けられ,これらは必ずやるべきこととして位置づけられます.情報収集1 医療現場では各患者の疾患や病状に応じた配慮が必要になります.子どもとかかわるには必ずアセスメントをして保育ニーズを把握します.基本的な患者情報(氏名・疾患・年齢など)に加え,各患者を知るために必要な情報(治療計画・方針,発達段階,家庭での様子や家族背景など)を把握しておかなければなりません(A章IV-2参照).基本情報(プロフィール,入院目的,患者・家族の様子など)の把握.疾患・障がいに関すること(概要,治療計画・方針,留意点など)の把握.成長・発達や生活,患者の性格や特性(危険行動の有無やコミュニケーション手段など),心身の状態に関することの把握.家族に関する情報(家庭環境,親子関係・家族関係,生活状況,心理状態など)の把握.感染症,耐性菌の有無,感染経路別予防策の把握(A章VI-2参照).病状・安静度・活動制限(輸液中やドレーン留置中,抑制中など)の把握.使用物品(車椅子,座位保持椅子,バギーなど)の把握.手術・検査・処置・リハビリなどの予定や時間の確認,手術や検査の場合は鎮静の有無や薬剤による副作用の有無の確認.アレルギーの有無やアレルゲンの把握.準 備2 保育活動の対象となる患者は日々,病状や状態が異なるため,参加する患者の特徴や実施する形態(集団・個別)に応じた環境を整える必要があります.また,入院環境という様々な制約があるなかで過ごしている患者が,安心・安全な環境のなかで過ごせるよう,人的・物的環境に配慮した以下の準備が必要です.(1)環境整備玩具,テーブル,椅子,床などの拭き掃除をします.破損している玩具の確認や誤飲する可能性があるものを取り除きます.保育活動を実施するうえでの留意事項1A章 保育の基本Ⅳ保育活動

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