2275国立成育医療研究センター 基本から実践まで!! すぐに役立つ 医療保育実践マニュアル
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33Ⅴ.生活援助と家族支援A 保育の基本B 保育の実践C 多職種連携と医療現場における保育士教育準 備2(1)環境構成転落やチューブ類のトラブル,誤食,盗食などの安全面に配慮し,個々の発達段階や理解度に応じて,座る場所や配置を考慮します.病室で食事をとる際に,禁食や体調のすぐれない患者など,食事をとることができない患者が同室にいる場合は,ベッドまわりのカーテンを閉めるなどの配慮をして環境を構成します.(2)患者への声かけ・誘導禁食や手術・検査前で,食事をとることができない患者もいるため,声かけと誘導は周囲の患者に配慮して行います.実 施3保育士のかかわり患者の氏名(リストバンドと食札の氏名)*,食事形態,種類などの確認を行います.食事時の体勢を考慮します(重症心身障害児(者),固定具を装着している患者は,ポジショニングに配慮します).病状,安静度,発達段階,自立度,点滴(刺入部,利き手か否か)などに配慮し,患者ができる部分は見守り,必要に応じて援助を行います.食事の形態,種類,量などが本人の病状や状態,発達段階に合っているかどうかを確認し,必要に応じて受け持ち看護師に相談します.誤嚥やむせ込みがある場合は,受け持ち看護師に報告し,対応を依頼します.体動制限のある患者(固定具装着中,牽引中など)の食事介助は,個々の注意点に十分配慮します.病状や治療による食欲低下や味覚変化,偏食などを考慮して声をかけます.食事が他者とのコミュニケーションの場になるよう,雰囲気作りを考慮します(図1).食に対する意欲を育むことができるよう,個々の発達段階や疾患,治療に配慮して,働きかけます.食事援助図1

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