2281腹部超音波診断ファーストステップ
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133D-9 ◯2 精索捻転症・精巣回転症D対象臓器別にみた超音波診断へのアプローチ思春期の男性に好発し,陰囊部~下腹部に放散する腹痛を生じる.陰囊の腫大,圧痛,精巣挙筋反射の消失がみられ,消化器症状を伴うこともある.強い疼痛を伴い,プローブでの圧迫も痛みを増強させるため注意が必要である.病態のPoint●鑑別診断:精巣上体炎,精巣腫瘍陰囊内容に有痛性腫脹を呈する代表的疾患の一つである.発熱や尿路感染症を伴い,精巣炎や精索捻転症との鑑別が重要である.精巣上体に一致した血流亢進を認め,精巣の血流表示は保たれる.鑑別のPoint精巣腫瘍の95%以上は悪性であり胚細胞腫瘍が最多で,好発年齢は20~30代と若年発症が多い.圧排性発育を呈するが,無痛性陰囊腫大が特徴である.血腫を伴うことがある.腫瘍マーカーでは組織型によっては,AFP,hCG,LDHの上昇を認める.鑑別のPoint図2 精巣上体炎図3 精巣腫瘍(齊藤弥穂)

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