2304東大病院 新生児診療マニュアル
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●皮膚病変:眼周囲を中心に顔面,頭皮に環状紅斑,環状皮疹が出現することがある(16~50%.出生時に発症していることもあるが,生後4~6週ごろの発症が一般的).基本は経過観察のみ.重度の場合はステロイド外用. ●肝機能障害:25%程度に合併するとの報告あり.ほとんどが一過性で1か月以内に軽快. ●血液病変:生後1週間以内に血小板減少を認めるが,通常2~4週で改善.出血症状がみられることは稀とされている. ●対応:母体の自己抗体の種類,抗体価を確認.入院中に心電図,血算・肝機能チェックの採血を行う(詳細以下). ●検体量 抗SS‒A抗体,抗SS‒B抗体,抗U1‒RNP抗体:最低150 μL+α. →院内で検査可能.生化学と一緒に出すなら,抗体分の上乗せは不要(生化に必要な量のみでOK). LAC(ループスアンチコアグラント):成人用の凝固の2 mL黒スピッツで,2 mLちょうど必要(小児用では不適). 抗カルジオリピン抗体:aCLβ2GPI+aCLで血清0.5 mL(黄マイクロ).第1章 一般管理14図2●抗リン脂質抗体症候群(APS)母体児の管理母aPL(LAC,aCL,aCLβ2GPI)(最近の検査がなければ産科に依頼,院外検査なので時間がかかる)検査不要血栓症の危険性あり母で陽性のaPL臍帯血または児血で検査フォロー不要退院後フォロー血栓症のフォロー(抗体が消えるまで)陰性陰性陽性陽性

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