2304東大病院 新生児診療マニュアル
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序 文 東京大学NICUでは医育機関として多くの医師に新生児医療の教育を行ってきていますが,今後さらに増床を行い,NICUとGCUを合わせて57床とする予定です.また,東京大学は医学部附属病院に小児・新生児集中治療部門を創設し,部長として教授職を配置する予定です.このことは東大が,この分野にかかわる医師を育成することに責任をもち,次世代の世界を担う子どもたちを守ることを宣言したものといえます. そのため現場で,増床に向けて,安全でかつ一貫した医療を行うために,東大新生児部門の診療マニュアルを作成することが必須と思われました.目指したコンセプトは「現場でこんなマニュアルが是非とも欲しい」というマニュアルでした.そのために以下の3つを盛り込めるように検討しました.  ① 具体的な商品名,投与法がある処方例  ② 必要な範囲のエビデンスとガイドライン  ③ 標準化のため医師間で調整した治療内容 現在,新生児医療の現場では,NICU部門オーダリングシステムを備えた施設が多くなっています.しかし,そのため手計算に不慣れな医師が増えてきています.また,不慣れな研修医が新生児医療にかかわることも増えてきました.そこで,具体的な商品名を含めた処方例の載ったマニュアルを目指しました. また,新生児にかかわるガイドラインも増えてきています.インターネットでも情報は得られますが,すぐにベッドサイドで見たいということが多いと思います.また,代表的な文献は示したいと思いました. 東大NICUの医師は,国立成育医療研究センター,東京都立小児総合医療センター,東京都立墨東病院,東京女子医科大学,自治医科大学など,さまざまな施設で独自の医療を学んできており,一貫した医療のために,標準化することが強iv

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