2308小児消化器内視鏡ガイドライン2017
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前 文 上部消化管内視鏡検査(esophagogastroduodenoscopy:EGD)は,食道,胃および十二指腸までの消化管粘膜の観察と粘膜生検,そして治療を可能とする検査で,その適応は広がってきている. 年齢や体型に準じた内視鏡機器の選択と患者個々の状態に応じた鎮静・麻酔を用いることで,新生児から年長児まで幅広い小児患者にEGDを行うことが可能である.小児のEGDにおいて,年齢や体重別のスコープの選択の目安についてはCQ30に詳細を述べた. EGDの原則禁忌となる病態としては,ショック,重篤な心肺疾患,腹膜炎,穿孔などがあげられる.凝固異常症,好中球減少症を有する場合にも,適応を慎重に判断する.EGDの実施に際しては,検査の益がその害を上回っていることを十分に検討したうえで,患者と保護者への十分な説明と同意のもとに行うことが重要である. 本章では,小児におけるEGDの適応と合併症,そして前処置と粘膜生検について,ステートメントと解説文を示した.小児では,生検の適応が成人よりも広いことに注意が必要である. 本ガイドラインでは,診断目的の内視鏡を主に扱っているが,今後,小児における治療内視鏡についてもガイドラインが作成されることが望まれる.上部消化管内視鏡検査第章13第1章上部消化管内視鏡検査Esophagogastroduodenoscopy(EGD)

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