2309稀少てんかんの診療指標
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246第5章 稀少てんかんQ&AA.検査・遺伝に関連するQuestion長男が原因不明のてんかんで治療中です.精神運動発達遅滞も認めます.第2子を計画中ですが,疾患が遺伝する可能性はどうでしょうか?てんかんは多くの場合は多因子遺伝で,同胞の罹患は数パーセント以下ですが,原因によっては親子や同胞で罹患します.主治医に相談して,遺伝カウンセリングを受けていただくとよいでしょう.染色体や遺伝子検査が必要な場合もあります.てんかんで治療中の成人です.挙児を希望しているのですが子どもにてんかんが遺伝しますか?てんかんの多くは男女にかかわらず遺伝することはありません.しかし,少数(1~2%)ですが遺伝性があるてんかんもあります.遺伝性があるかどうかは正確なてんかん診断が必要です.主治医もしくはてんかん専門医にご相談ください.結節性硬化症の過誤腫はがん化するでしょうか?過誤腫は臓器を構成する細胞が過剰増殖した状態で,がんのような急激な増大や周囲構造への浸潤・破壊は生じません.結節性硬化症ではまれに腎細胞がんを合併することはありますが,過誤腫ががん化することはありません.難治性てんかんで治療中ですが,主治医の先生から脳磁図(MEG)をやってはどうかといわれました.MEGはどこで検査できるのでしょうか.何がわかるのでしょうか?MEG検査は脳の表面から出る磁場活動を検出する検査です.磁場は,骨や皮膚等の電気的障害物を通過するために,微細な電気活動も計測できる利点があり,てんかん発作の焦点を詳細に決定することができます.日本国内では十数か所の施設で検査が可能です.てんかん外科治療を勧められ,検査入院予定です.どのような検査で,どのくらいの期間がかかりますか? 費用は?長時間ビデオ脳波モニタリングのほか,必要に応じてMRIやPET,神経心理検査等が行われます.入院期間は施設によって異なりますが,概ね7日から21日間程度で,費用は検査や入院期間で異なりますが,約2週間の入院で1割負担の方は5~7万円,3割負担は15~20万円です.高額療養費制度を利用することで,さらに負担が軽減される場合があります.1.患者からQ1AQ2AQ3AQ4AQ5A

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