2316臨床遺伝学テキストノート
4/10

138症例症例Rロバートソンobertson型転座(14;21) 30歳,女性 自然妊娠し,現在妊娠13週である.第一子の主治医から再び妊娠した場合に子がDダウンown症候群である可能性が高いといわれたため羊水検査を希望している.      2妊1産.1年前に生まれた第一子は男児であった.妊娠中は特記すべき異常は指摘されず経過して妊娠39週に経腟分娩した.分娩後にDown症候群が疑われ,染色体検査を受け,46,XY,+21, der(14;21)(q10;q10)であった.この時,夫婦の染色体検査を提案され受けた.夫は46,XY正常核型であったが,本人は45,XX, der(14;21)(q10;q10)であった.本人の両親は健康であり,同胞は未婚の妹が1人いるのみで,家族親戚にはほかに特記すべき疾患をもった人はいない. 妊婦健診では軽度のつわりはあるものの妊娠経過は順調である.上の子はとても可愛く感じるものの同じ年の子に比べてやはり発達の遅れが気になる.自分の染色体異常が原因であると聞いており申しわけないと思っている.また,第二子もDown症候群である可能性が高いといわれており不安である.症 例主 訴家族歴・周産期歴現病歴         羊水検査法の目的と適応を説明し,結果を解釈し説明できる染色体検査の目的と適応を説明し,結果を解釈できる遺伝カウンセリングの意義と方法を説明できる出生前診断における倫理的・法的・社会的課題に対する配慮を説明できる学習のポイント講義第11Advanced篇Ⅱ出生前診断

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る