2323脳血管内治療の進歩-ブラッシュアップセミナー2017
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74背景1 脳血管障害に対するカテーテルインターベンションとして登場した脳血管内治療も,今では20年の歴史を持つ重要な外科的治療オプションの一つとなった.その急激な発展に伴い,パイオニアから受け継がれてきた技術は,さまざまな形で派生,進化し,現在それぞれの流儀となって各地で根付いている.同じ手技でありながら,機材や方法が異なるケースはしばしば見受けられるが,実際ほかの人はどうやっているのか,また自分や自施設の方法が全体の中でメジャーなのかは,お互いあまり認識していないのが現状と思われる.また,その施設でトレーニングを受けた研修医は,同じやり方を伝承するので,地域差となって現れてくるとともに,ほかのやり方について知らないまま過ぎていると考えられる.そこで,わが国を代表する血管内治療指導医の集団である脳血管内治療ブラッシュアップセミナー(BSNET)ファカルティーの皆様にご協力いただき,ある程度の傾向がわかることを期待して,ご自身のやり方をアンケートにて調査させていただいた.方法2 BSNETファカルティー39名の皆様に,アンケート形式での質問41項目(血管撮影手技に関する質問9項目,血管内治療におけるガイディングシステムに関する質問12項目,血管内治療手技に関する質問11項目,血管内治療環境に関する質問6項目,その他3項目)について,多項選択回答形式(一部複数回答形式)にて回答をいただいた.結果の表示は,質問ごとに全体としての選択肢比率を示すとともに,全国を6つの地域(北日本,関東,中部,関西,中四国,九州)に分け,回答者をそれぞれ所属する地域に分類したうえで,地域ごとの傾向を調べた.ただし,現在働い愛知医科大学脳血管内治療センター 宮地 茂協力 脳血管内治療ブラッシュアップセミナー(BSNET)ファカルティーメンバーファカルティーはこんな使い方をしている ―BSNETファカルティーへのアンケート結果―1◉ 地域によって非常に異なるやり方があるが,方法の優劣というよりは確実性と安全性が最も大事である.◉ カテーテル内のイリゲーションは虚血性合併症を防ぐための基本であるため,念入りなほうがよいかもしれない◉ 自身の施設でのやり方と比較して異なる場合に,振り返って検討し,採用できるものは取り入れていただきたい.B.各論に入る前にII アクセスのすべて―脳血管内治療成功の鍵ssential PointE

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