2343わかりやすい予防接種 改訂第6版
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60第1部 予防接種の準備スケジュールからはずれたときの接種法 本項では大まかな接種スケジュールが定められている予防接種で,様々な理由からスケジュール通りに接種が進まなかった場合の対処法について述べます.1)2回目以降の接種が必要な予防接種の場合 ほとんどの予防接種は2回またはそれ以上の回数の接種を必要とし,接種開始年齢や接種間隔が定められています.指示通りに接種が進めば問題ありませんが,いつも予定通りに行くとは限りません.忙しい育児のなかでつい忘れてしまうこともありますし,長期の入院をしたり手術を受けたりして接種が一時中断してしまうこともあります.このようなことからスケジュール通りに接種が進んでいない子どもに関して,その後の接種をどう進めていったらよいか,相談を受けることがよくあります. 対応の仕方としては,可能性のうえでは,①接種の遅れには関係なく相談を受けた時点から接種を再開し,決められた通りの回数の接種を進めていく,②遅れた分の接種を1回省略して決められた回数より少なく接種する,③最初から接種のやり直しをする(結果的に決められた回数より多く接種する),の3通りの方法が考えられます.どのようなやり方で接種を継続するのがベストか迷うことも多いと思います. 以下に接種が遅れたときの対応法の原則と主なワクチンでの対応法を解説します. 接種が遅れたときの再開の原則 接種が遅れて間隔があきすぎた場合の接種の原則は以下の通りです. 受診した時点で,遅れている残りの接種を再開する.その後も残りの接種回数を通常通りの決められた間隔で接種していく.最初からやり直しをする必要はない.6 接種が遅れたときの再開の原則A

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