2348マクギーのフィジカル診断学 原著第4版
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Chapter 14 Cushing症候群793Part患者の外観満(LR=0.1),満月様顔貌なし(LR=0.1),中心性肥満なし(LR=0.2),皮膚の厚さが正常(LR=0.2)である.これらと同じ研究によると,Cushing症候群のより強力な予測因子の1つとして骨粗鬆症(感度 32~63%,特異度 90~97%,陽性LR=8.6,陰性LR=0.5)がある4,12,36.これらの研究では骨粗鬆症は放射線検査で診断されているが,通常はベッドサイドで椎体骨折,円背,身長の短縮から明らかであることが多い.おそらくこれらの所見でもCushing症候群を正確に診断することができる.B.Cushing症候群の病因と身体所見外因性コルチコステロイドを服用している患者は,内因性Cushing症候群の患者と同じ頻度で中心性肥満,満月様顔貌,挫傷を呈するが,高血圧,多毛,ざ瘡,水牛様脂肪沈着の頻度は有意に低い7.肺小細胞癌による異所性ACTH症候群の患者は,男性に多く,より早期にCushing症候群を発症し(年単位ではなく月単位で),顕著な体重減少,ミオパチー,過剰な色素沈着,浮腫を呈する17,31,37.腫瘍の転移による不整な肝腫大はこの診断を示唆することもある37.ACTH依存性Cushing症候群の患者において,次の2つの所見は異所性ACTH症候群の可能性を高める.すなわち体重減少(陽性LR=20)と症状持続時間が18カ月未満(LR=15)である9,37.多毛やざ瘡は内因性Cushing症候群の女性に起こりうるが,男性化(男性型脱毛,低い声,陰核肥大)があると副腎皮質癌を強く肯定する38-40.本章の参考文献はwww.elsevier-elibrary.comで閲覧可能.可能性+45%+30%+15%‒15%‒30%‒45%LRs低くなる高くなるLRsCushing症候群薄い皮膚出血斑中心性肥満plethora満月様顔貌なし薄い皮膚なしplethoraなし115.6全身性肥満0.10.20.512510

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