2361腎臓内科レジデントマニュアル 改訂第8版
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41 脱水症(Na欠乏症)1水・電解質代謝異常とその治療d.脱水症の評価(表3) ■脱水症は明らかな症状・所見が出ていれば,すでに高度である. ■前述の脱水症のリスクがある患者では,以下を常にモニターする.1食事・水分摂取量2体重の変化 ■脱水の所見として最も重要と思われるのは体重減少(体表3 脱水症の評価法症状便秘,脱力・せん妄・混迷・意識混濁バイタル体重 3%以上の急激な減少血圧・脈拍起立性低血圧(収縮期血圧20 mmHg以上の低下,脈拍20 bpm以上の増加)身体所見前胸部皮膚ツルゴール低下・毛細血管再充満遅延>5秒等頸静脈虚脱・腋窩乾燥検査尿一般所見 尿量低下<500 mL/日,尿比重上昇>1.020尿電解質所見FENa<0.1~1%,FEUN<35%,尿Na濃度・尿Cl濃度<20 mEq/L血液検査 ヘマトクリットやアルブミン値の上昇 尿素窒素(BUN)/クレアチニン比の増加 Side Memo毛細血管再充満時間 ■中指の爪を圧迫し,白くなってから,再び赤みが戻るまでの時間を測定して,細胞外液量減少の診断に使用する. ■2秒以上で脱水が示唆される.高齢者では延長されるが,4秒以上では細胞外液量の減少が強く示唆される.特異度は高いが,感度は低い.

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