2361腎臓内科レジデントマニュアル 改訂第8版
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1031 慢性腎臓病の概念4慢性腎臓病の診断と管理 ■慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は2002年に米国腎臓財団(National Kidney Foundation)のガイドライン(Kidney Disease Outcome Quality Initiative:K/DOQI)に発表され,2004年に国際的なガイドライン作成機構であるKidney Disease Improving Global Outcome(KDIGO)によって修正された概念である. ■慢性腎炎,糖尿病性腎症,腎硬化症,多発性囊胞腎などすべての慢性腎臓疾患を含む. ■機能的,形態的異常が3か月以上継続した場合に慢性腎臓病と診断し,包括的にCKDとして管理しようとするものである.2012年に重症度分類が大改訂された. ■腎機能を評価する指標として,血清Cr値ではなく,GFRを用いること,ならびに尿アルブミン定量(尿蛋白定量)を推奨している.a.慢性腎臓病の定義  以下のいずれかが,3か月以上継続する.慢性腎臓病の概念11GFR 60 mL/分/1.73 m2未満の腎機能の低下がある. 表1のGFR推算式(通常は日本人の式3項目)を使用してeGFRを計算する.2腎臓の障害を示唆する所見が認められる.微量アルブミン尿を含む蛋白尿などの尿異常片腎や多発性囊胞腎などの画像異常血清クレアチニン値の上昇(正常値は性,年齢によって異なる)腎組織の異常腎移植後慢性腎臓病の診断と管理4

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