2361腎臓内科レジデントマニュアル 改訂第8版
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1052 慢性腎臓病の重症度分類とステージ4慢性腎臓病の診断と管理 ■日常臨床では,CKDは検尿試験紙で(1+)以上の尿蛋白またはGFR<60 mL⊘分⊘1.73 m2で診断する. ■正常腎機能に近いGFRを推算する場合や,るいそう,四肢切断などがあれば,シスタチンCを使用した推算式を使う.bb..CKDCKD総合対策の目標総合対策の目標 1透析,腎移植などの末期腎不全患者を減少させる.2CKDに合併する心血管障害,総死亡,入院などの合併症を減らすこと.および予防すること. ■CKDの重症度分類は,表2のように,原疾患(cause:C),GFR(G),尿蛋白(アルブミン尿:A)で決まる.これらを合わせてCGA分類ともいう. ■わが国では,糖尿病以外はアルブミン尿を保険診療で測定できないため,尿蛋白を利用する(表3). ■CKDのステージは,GFR区分と尿アルブミン区分を併記して,G3aA2,G1A3,G4A1などとする. ■透析患者はG5Dとする. ■CKDステージの前に,原疾患名を記載する. 糖尿病性腎症,腎硬化症,糸球体腎炎,慢性間質性腎炎,多発性囊胞腎,腎移植後など病名が確定していない場合は以下のように記載する. 高血圧性腎疾患,糖尿病と高血圧によるCKD,病名が不明な場合には不明とする ■GFR区分G1,G2,G3a,G3b,G4,G5は慣習的にステージ1,2,3a,3b,4,5などとよぶこともあり,GFRに基づいた重症度を示す.aa..CKDCKDの原因疾患の重要性の原因疾患の重要性 ■同じCKDであっても,糖尿病や高血圧が原因でCKDになった症例では,全身の動脈硬化の進展が著しく,心筋梗塞,脳卒中などの心血管イベントの発症リスクが増加している.一方,糸球体腎炎が原因となって発症するCKDでは,蛋白尿が大量であっても動脈硬化病変は少なく,心血管疾患合併症の発症リスクは低い.慢性腎臓病の重症度分類とステージ2

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