2386新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2019
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(6.6~11 mmol/L)とする.高血糖は避ける.高血糖(新生児>280 mg/dL(15.4 mmol/L),新生児期以降>180 mg/dL(9.9 mmol/L))を認めた場合は,即効型インスリンの持続投与を開始する.インスリン投与を行っても血液乳酸値が45 mg/dL(5 mmol/L)を超える場合には,すでに解糖系が動いておらず糖分をエネルギーとして利用できていないため,糖濃度を下げていく3)4).3) 中枢神経の保護 けいれんが生じたら抗けいれん薬を投与する.脳浮腫に対してはマンニトールを使用する.グリセロールはシトリン欠損症の場合に病状を悪化させるために使用しない.成人では時に減圧開頭術を要することもある5).4) ブフェニール®と安息香酸Na***・アルギU®の投与 ブフェニール® 250 mg/kgの経胃管投与と,表3の輸液を表2の輸液に追加する.安息香酸Naの静注薬が院内製剤として準備できていなければ,試薬を秤量して経胃管投与を行う.その際,安息香酸カフェイン(アンナカ)を使用してはならない.なお,嘔吐を合併している場合が多く,その際は,経胃管投与の速度,患児の体位などに気を配るべきである.アルギU®はすぐに投与できるように準備しておく必要がある. 血液浄化療法の準備ができるまでの間や搬送までの間にできることとして,表2の輸液,ビタミン類の投与,ブフェニール®と表3の安息香酸51 代謝救急診療ガイドライン乳酸・アラニンのみ↑乳酸・アラニン以外↑正常ありなし高値乳酸/ピルビン酸(L/P)比低血糖尿中有機酸・血中アミノ酸分析乳酸(髄液中>血中)高値有機酸代謝異常症脂肪酸代謝異常症糖原病・糖新生系酵素異常症PC異常症A型PDHC異常症PC異常症B型ミトコンドリア呼吸鎖異常症生検臓器および皮膚線維芽細胞を用いた検索図3高乳酸血症の診断フローチャートL:乳酸(lactic acid),P:ピルビン酸(pyravate),PC:ピルビン酸カルボキシラーゼ,PDHC:ピルビン酸脱水素酵素複合体.(鑑別チャートは大きな考え方の流れを示したもので,例外もある)

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