2397小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン2020
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352 各 論||A.ステロイド感受性ネフローゼ症候群の治療 小児特発性ネフローゼ症候群の多くを占める微小変化型の90%以上はステロイド(プレドニゾロン)に反応するステロイド感受性ネフローゼ症候群である.そのため,他の病型が疑われる場合以外は腎生検を行わず,プレドニゾロンで治療を開始することが一般的である.clinical question1小児特発性ネフローゼ症候群の初発時治療において,プレドニゾロンは8週間治療(ISKDC法)と12週間以上治療(長期漸減法)のどちらが推奨されるか小児特発性ネフローゼ症候群の初発時治療は,8週間治療(ISKDC法)を選択することを推奨する.初発時の治療 1ステートメント推奨グレード 1B(一致率100%) 初発時 ISKDC法 プレドニゾロンの治療例① 60mg/m2/日 または 2mg/kg/日(最大60mg/日)分1~3 連日 4週間② 40mg/m2/日 または 1.3mg/kg/日(最大40mg/日)分1朝 隔日 4週間註: 体表面積や体重は,身長からみた標準体重(p. 30~33 「1 治療総論」『表1-A』,『表1-B』参照)を用いて計算する.治療例 小児特発性ネフローゼ症候群の初発時治療におけるプレドニゾロンの投与期間として,ISKDC法と長期漸減法の優劣に関する議論が長らく続いていた.しかし,3編の適切にデザインされたランダム化比較試験が報告され,コクランレビューが改訂された.3か月以上にエビデンスの要約各 論2

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