2402高血圧診療ステップアップ
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149B 心疾患表1心疾患を合併する高血圧の治療心肥大⃝心肥大退縮のために持続的かつ十分な降圧が必要⃝第一選択薬はRA系阻害薬,長時間作用型Ca拮抗薬冠動脈疾患⃝降圧目標は130⊘80 mmHg未満とする⃝器質的冠動脈狭窄による狭心症の第一選択薬*1:β遮断薬と長時間作用型Ca拮抗薬⃝冠攣縮性狭心症の第一選択薬;Ca拮抗薬*2※JSH2019 CQ7参照心筋梗塞後⃝標準的薬物治療:ACE阻害薬(忍容性がない場合ARB),β遮断薬の併用療法⃝重症収縮機能症例:MR拮抗薬*3を追加⃝うっ血改善:利尿薬を追加⃝ 標準的薬物治療を最大忍容量まで漸増しても降圧が不十分な場合:長時間作用型Ca拮抗薬を追加※JSH2019 CQ8参照心不全左室駆出率の低下した心不全(HFrEF)⃝ 血圧が正常か低い症例が多いが,降圧に加え,QOLや予後の改善,心不全入院抑制のため降圧薬を用いる⃝ 病態や併存疾患に応じた個別治療が重要となるため,一概に降圧目標値を定めることはできない⃝ 標準的薬物治療:ACE阻害薬(忍容性がない場合ARB)*4,β遮断薬*4,利尿薬,MR拮抗薬*5の併用療法⃝ 利尿薬の適切な使用下に,標準的薬物治療を最大忍容量まで漸増しても降圧が不十分な場合:長時間作用型Ca拮抗薬を追加※JSH2019 CQ8参照左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)⃝収縮期血圧130 mmHg未満をめざす⃝個々の病態に合わせた利尿薬を中心とした降圧薬治療※JSH2019 CQ9参照心房細動⃝新規発症予防:収縮期血圧130 mmHg未満の降圧が有効⃝心肥大や心不全例での心房細動新規発症予防:RA系阻害薬を中心とした降圧薬治療⃝ 心房細動例:適切な抗凝固療法,心拍数コントロールとともに,収縮期血圧130 mmHg未満をめざす*1 循環器専門医と連携をとり,冠動脈狭窄や心筋虚血の評価を行い,適応例では冠血行再建術*2 高血圧の有無にかかわらず冠攣縮予防のために用いる*3 高K血症に注意する*4 少量から開始し慎重にゆっくりと増量する*5 主に重症左室駆出率低下症例に用い,高K血症に注意する[JSH2019より]表2主要降圧薬の積極的適応Ca拮抗薬ACE阻害薬⊘ARB利尿薬β遮断薬左室肥大○○左室駆出率の低下した心不全  ○1○  ○1左室駆出率の保たれた心不全○○  ○2○狭心症○○  ○3心筋梗塞後  ○1  ○1頻脈心房細動心拍コントロール○(非ジヒドロピリジン系)○1少量から開始し,慎重にゆっくりと増量する2利尿薬を中心とした降圧療法3冠攣縮性狭心症には注意[JSH2019より一部改変]

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