2404ベーチェット病診療ガイドライン 2020
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て出版するものである.3 エビデンスレベルと推奨度,同意度の決定基準エビデンスレベルの評価は,Minds診療ガイドライン作成の手引き2007 1)・2014 2)に準拠して表1のように分類して評価した.推奨度分類に関しても,表2に示すようにMinds診療ガイドラインの推奨度分類を用いて評価した.一般的に推奨度はエビデンスレベルに基づいて決定され,エビデンスレベルの高い臨床試験や学術論文に基づいた検査法や治療法は推奨度が高くなる.したがって,表2に示すようにエビデンスレベルを推奨度分類と対比することとした.C2に関しては,有効なエビデンスがない,もしくは無効なエビデンスがあるものとした.Dに関しては,無効もしくは有害であることのエビデンスの高い科学的根拠があることとした.研究デザインや研究プロトコルが同様のエビデンスレベルであっても,臨床試験や学術論文の質には少なからず隔たりがあるため,それらの質に関しても可能な限り考慮した.Mindsの診療ガイドライン作成の手引きにあるように,エビデンスの強さがそのまま推奨の強さになるわけではない.合意形成のための会議が行われ,偏りのない決定方法により推奨や推奨度が決定されることが望ましいとされている.前述したように,ベーチェット病診療に関しては,ランダム化比較試験(RCT)や前向き研究などの臨床試験はほとんど行われておらず,エビデンスレベルの高い科学的根拠(臨床試験や学術論文)はほとんど得られていないのが現状である.一方で,エビデンスレベルが高い科学的根拠がなくても,古くから広く一般的に行われて有効性が実証されている治療法も少なからず存在する.たとえば,後眼部,特に後極部黄斑付近の炎症発作は急激な視力低下をきたして不可逆的な視機能障害を生じることがあるため,ステロイドレスポンダーなどの余程の副作用が懸念される患者を除き,外来受診時にほぼ全例で副腎皮質ステロイドを後部テノン嚢下に注射する.このように,古くから眼科医の間では当然のこととして行われていて,有効性も実証されている治療法であっても,RCTや前向き介入研究が行われたことがないため,エビデンスレベルは低いものとなってしまう.したがって,このような治療に表1 エビデンスレベル11aランダム化比較試験のメタ解析1b少なくとも1つのランダム化比較試験22aランダム割り付けを伴わない同時コントロールを伴うコホート研究2bランダム割り付けを伴わない過去のコントロールを伴うコホート研究3症例・対照研究(後ろ向き研究)4処置前後の比較などの前後比較や対照群を伴わない研究5症例報告,ケースシリーズ6専門家個人の意見,専門委員会報告表2 推奨度分類 推奨度エビデンスレベル対比同意度A行うように強く進めるおもに14.8以上B行うように勧めるおもに2,34.5以上C1行うことを考慮してもよいが,十分な根拠がないおもに4,5,64.0以上C2根拠がないので勧められないエビデンスなしD行わないように勧められる無効,有害のエビデンス第1章 ガイドライン作成にあたって ガイドライン作成にあたって第1章3

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