2408臨床小児麻酔ハンドブック改訂第4版
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42•2.気管挿管法2経口挿管(orotracheal intubation)●1 直達喉頭鏡(喉頭鏡)による挿管①スニッフィングポジションをとる 薄い円座などで頭部を安定させ,スニッフィングポジション(においをかぐように鼻を前方へ突きだした姿勢,図2)をとる.小児は体が薄く後頭部が大きいので,高い枕は必要ない.アネスピロ2(センシンメディカル社)は枕の傾斜によりスニッフィングポジションがとりやすくなっている.②喉頭鏡を持つ 喉頭鏡を点灯させて握ってから次の開口へと進むとスムーズである.1歳になるまでは直のブレード(Miller型),それ以後は曲のブレード(Macintosh型)を使用することが好まれてきたが,いずれを用いても喉頭展開は可能である3, 4).持ち方は,ハンドルのできるだけブレード寄りのところを持つようにする.③口を開ける 右手掌で児の額もしくは眉間を押さえて軽い後屈を保ち,右手中指で下顎を押して口を開ける(図3).成人や年長児では口の中に指を入れて開口させるが,小児では動揺歯がある場合があることや,乳幼児では喉頭鏡を入れるためのスペースが小さくなることから不利である.④喉頭鏡を入れて舌をよける 舌を左によけて,ブレードの右側にスペースを作る.このため,ブレードは右の口角寄りから挿入する.先端を咽頭へ進めるに従い,ブレードを正中にもっていき,喉頭蓋を見つける.この時点で舌図2 スニッフィングポジション図3 開口中指で下顎を押して開口する.新生児,乳児では手掌で頭を包むようにすると,頭部が安定する.

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