2438言語聴覚士ドリルプラス吃音・流暢性障害
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読み解くためのKeyword53解答第3章 吃音・流暢性障害の臨床1①吃音緩和,②流暢性形成,③楽2④同定,⑤吃音症状,⑥感情,⑦態度,⑧脱感作,⑨カミングアウト,⑩緩和,⑪取り消し,⑫引き出し,⑬安定,⑭自動,⑮言語聴覚士吃音緩和法〔成人(中学生以上を含む)〕 吃音修正法ともいう。Vヴァンan Rライパーiperらが提唱した吃音緩和法は,流暢性形成法が目指す「吃らないで話すこと」が,吃音に対する恐れや回避を助長し,吃音をいっそう苦しいものにするという批判から生み出された。流暢性形成法とは逆に吃ることを奨励し,吃音状態を客観的に捉え,より楽な吃音に変えようとする。また,吃音を回避しないため吃音に慣れ,あるいは吃っても大丈夫だとわかり,吃音に対する恥ずかしさや恐怖心を軽減し,回避行動を減らすことにつながる。 吃音緩和法は,以下の4つの重なり合った段階で構成されている。●第1段階:同定 言語聴覚士と一緒に,自分の吃音症状(中核症状や二次的症状)や吃音に対する感情と態度を観察し,発語器官の状態や自分の感情などについて理解する段階である。自分の吃音症状を言語聴覚士の模倣や鏡・録画を通して確認し,話し合う。自身の吃音と向き合うストレスに注意しながら進める。●第2段階:脱感作 吃音症状や聞き手に対する脱感作を行う。実際の発話場面で吃音症状が出ている時でも発語器官がどうなっているのか探りつつ,聞き手に受け入れられている,自分が思っているほど相手は気にしていないことを経験する。また,周囲の人に吃音についてオープンに話す(カミングアウト)も推奨される。●第3段階:緩和 取り消し法,引き出し法,準備的構えなどのスキルを用いてより楽な吃り方を学ぶ。・取り消し法:症状が出現したら意図的に間をとり,その時間内に分析し楽に吃るための準備をする。発語器官をそっと動かし声を出してゆっくりと話す。・引き出し法:症状が出現しはじめた時,無理に言葉を出そうとしないで,その緊張を意識的に緩めながら軽く引き伸ばすようにして発話する。●第4段階:安定化 楽な吃り方を,日常生活でより自動的に安定して使えるようにする。最終的に患者自身が自分に必要な課題を考えられるように支援し,言語聴覚士からの自立を徐々に促す。……おっおっ……おはっ…おはようございっ……阻止(ブロック)出現いつものパターン吃音緩和法を使用…おはようございます。…言葉が出ない!早くいわなくちゃ! もっと力を入れて声を出そう!力が入った。取り消し法を使おう。●吃音緩和法のイメージ

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