2442脳血管内治療の進歩-ブラッシュアップセミナー2019
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6はじめに1 ハイブリッド治療は血管撮影装置を備えたハイブリッド手術室において行う直達手術手技と血管内治療手技を組み合わせた複合治療のことである.大型・深部脳動脈瘤などの複雑な脳血管障害では,直達手術や血管内治療単独では治療困難な場合も少なくないが,ハイブリッド治療の発展によりこのような治療困難な脳血管障害を一期的に安全に根治することが可能となってきた1,2).しかしハイブリッド治療は手順やセッティングが煩雑であり,治療をスムーズかつ安全に行うためにいくつかのtipsが存在する.そこで本稿ではハイブリッド治療において合併症を防ぐためのtipsについて,セッティングを中心に紹介する.セッティングの実際2術前シミュレーション1 ハイブリッド治療は血管撮影装置を備えた手術室にて行うが,直達手術手技と血管内治療手技を同一セッションで行うため,直達手術・血管内治療担当医,麻酔医,器械出しナース,外回りナース,放射線技師などさまざまな職種が治療に関与する.ハイブリッド手術室内では血管撮影装置が移動し,人員や機器の配置および患者の配置・体位に制約が生じるため,術前に治療チームでシミュレーションをしておくことが重要である.例えば血管撮影装置が移動するスペースには麻酔器を設置することはできないため,麻酔器および麻酔科医の位置を術前に決めておく必要がある.さらに直達手術の器械台,手術顕微鏡,高リスク病変に対するハイブリッド治療のセッティングI ミニレクチャー:セッティングのすべて2九州大学大学院医学研究院脳神経外科学 飯原弘二,有村公一,西村 中 ◉ハイブリッド治療は,直達手術・血管内治療担当医,麻酔医,器械出しナース,外回りナース,放射線技師,モニタリング担当医・技師などさまざまな職種が関わるチーム医療である. ◉使用機器が多くワークフローが複雑であるため,術前に治療の流れや機器の配置をチーム内で確認しておく. ◉虚血性合併症予防のため,術前・術中に必要十分な抗血栓療法を行う.ただし出血性合併症を防ぐため直達手術中の入念な止血が必要である. ◉適切な手順を踏んで施行すれば,ハイブリッド治療は高リスクの脳血管障害を安全に根治する有力な治療手段となる.ssential PointE

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