2474脳血管内治療の進歩-ブラッシュアップセミナー2020
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108はじめに1 MR.CLEANの発表を皮切りにステント型血栓回収デバイスと内科治療の複数のランダム化比較試験が発表され,転帰改善効果が証明されエビデンスレベルの高い治療となった1).そのDAWN trial, DEFUSE 3により後16時間以内,24時間以内の患者にも有効性が証明されその適応は拡大した2,3).吸引カテーテルによる血栓回収もエビデンスが確立しつつあり,併用療法の論文も発表された.症例数は2018年には7,000件を超えその件数は年ごとに増加している.各社からさまざまなデバイスが保険承認され,2020年9月現在わが国ではステント型血栓回収デバイスが4社,吸引カテーテルが4社からそれぞれ発売されている. それぞれのスペックはデバイスにより異なるが,時短が求められる状況でのデバイス選択が必要である.ステント,吸引カテーテルともにそれぞれ特徴があり,どのデバイスがよいかは一概には言えない.デバイス選択は選択する手技と血栓の閉塞部位により規定される.本稿ではデバイス一つひとつの特徴ではなく,デバイス径/長さなどのスペックからみたデバイス選択のTipsを解説する.手技によるデバイス選択2ステント型血栓回収デバイス1 ステント型血栓回収デバイスを用いた治療はMR.CLAEAN,ESCAPE,EXTEND-IA,SWIFT PRIME,REVASCAT,THRACE,PISTEなど多数のRCTにより高いエビデンスを有する1,4-9).手技は簡便であるがEm-bolic to new territoryを予防するためバルーンガイディングカテーテルを用いたほうがよい.ステントのマイクロカテールが通ればよいので必ずしもバルーンガイディングカテーテルの内腔は広径である必要はない. ステント型血栓回収デバイスに必要な推奨マイクロカテーテルは,最大径は6mmサイズのSolitaire FRもしくはEmBoTrapII使用時複数デバイス時代のガイディングカテーテル・マイクロカテーテルの選択II 再開通療法―複数機器時代を迎えて最短のD2Rをいかに得るか1岩手県立中央病院脳神経外科 木村尚人◉◉各社から発売された各種デバイスのスペックを理解する必要がある.◉◉有効長,カテーテルの太さなどを理解して至適な道具の組み合わせを考える.◉◉自施設のシステムに合った手技を行うためのデバイス選択を行う.ssential PointE

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