2475言語聴覚士ドリルプラス 高次脳機能障害
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読み解くためのKeyword25解答第2章 高次脳機能障害の基礎1 ①視覚,②感覚様式,③認知段階,④対象,⑤統覚型,⑥統合型,⑦連合型(⑤~⑦は順不同),⑧物体失認,⑨相貌失認,⑩街並失認2 ⑪視覚情報,⑫視覚イメージ,⑬模写,⑭異同弁別,⑮マッチング(⑬~⑮は順不同),⑯後頭葉3 ⑰視覚情報,⑱部分的,⑲全体的,⑳模写,㉑短く,㉒雑音,㉓後頭側頭葉4 ㉔視覚イメージ,㉕模写,㉖カテゴリー分類,㉗意味的連合(㉖,㉗は順不同),㉘後頭葉視覚性失認 視覚に生じた失認を視覚性失認という。たとえば,視覚性失認では,「鍵」を見ても「鍵」であるとはわからないが,手で触れたり,使う音を聞いたりすれば,「鍵」であることがわかる。見ただけでは「鍵」という名前が言えないだけではなく,使い方をジェスチャーで示したり,言葉で説明したりすることもできなくなる。認知段階に基づく分類と,視覚対象に基づく分類があり,後者については物体に対する物体失認,顔に対する相貌失認,風景に対する街並失認などが知られている。統覚型視覚性失認 視力などの要素的な視覚機能は保たれているが,視覚情報を統合させ視覚イメージを形成することができない。そのため,模写,異同弁別,マッチング,呼称は困難である。病巣は,両側後頭葉の広範な損傷により生じ,一酸化炭素中毒による症例が多い。統合型視覚性失認 模写がある程度できるが時間がかかる,見せる時間を短くしたり,網掛けなどの視覚的な雑音を加えたりすると対象の認知が低下する症例があることから提唱された病態である。部分的な形を全体的な形へと結びつけることができない。部分的な形と大まかな全体の形がわかることから,誤りは形が似たものへと誤る。病巣は,両側または左側の後頭側頭葉の損傷で生じる。連合型視覚性失認 視覚情報を統合させ視覚イメージを形成することはできるが,それを概念(意味)と結びつけることができない病態である。統覚型と異なり,模写や異同弁別,マッチングは可能である。しかし,意味と結びつけられないため,カテゴリー分類や意味的連合などは困難となる。典型的には両側後頭葉の損傷で生じるが,左後頭葉損傷での報告もある。●視覚性失認のタイプによる違い統覚型視覚性失認統合型視覚性失認連合型視覚性失認線分の長さや傾きの弁別×○○絵・図形の異同弁別・マッチング×○○絵・図形の模写×○○視覚的雑音のある絵の認知××○形態と意味の連合×××

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