2488実践 小児てんかんの薬物治療
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脳波 発作間欠期は睡眠,覚醒時とも全般性2~3 Hz の棘徐波,多棘徐波のバーストが頻発,時に両側中心-頭頂部に鋭波が群発(図7-16A).治療経過 VPA 200 mgで開始,400 mgまで漸増したが無効,NZP 2 mg,ESM 300 mgで発作,発作波ともに消失.発達も徐々に伸びたが,数か月後から棘波,棘徐波,全般性棘徐波が再出現.発作波はCZP追加で増減するが,発作は抑制されていた. 13歳,前屈転倒する発作が再発,月数回.脳波では覚醒時にも全般性棘徐波が頻発(図4-16B).CZP,ESM増量し消失.しかし,精神遅滞が顕在化・重度化し,特別支援学校に通学. 2 眼瞼ミオクロニーを伴うてんかん1.概 念眼瞼ミオクロニーを伴うてんかん(epilepsy with eyelid myoclonius)は,以前,Jeavons症候群とよばれていた.閉眼や視覚刺激で眼瞼ミオクロニーが毎日起こり,欠神発作は伴うときと伴わないときがある.発達や認知機能は正常である.2~14歳(ピークは6~8歳)で,女児に多い(男児の2倍).2.発 作明るいところで閉眼または視覚刺激により,眼球上転と頭部後屈を伴って,短い,反復する,しばしば律動的な4~6Hzの速い眼瞼ミオクロニーが起こる.短いが日に何度も頻発する.全員光過 眼瞼ミオクロニーを伴うてんかん2 敏があり,日常生活のなかで光により発作が誘発される.意識減損(欠神発作)を伴う場合と,そうでない場合がある.20%は眼瞼ミオクロニーが重積し,欠神発作重積を示す.時に,GTCSがみられる.3.脳 波明るいところでの閉眼または光刺激で,3~6Hzの全般性棘徐波,多棘徐波の短いバーストが誘発され,しばしば眼瞼ミオクロニーを示す.欠神を伴うときと,伴わないときがある.年長になると光過敏性は軽減する.4.遺 伝多因子遺伝である.てんかんの家族歴が高率(40~80%)である.遺伝子異常はみつかっていない.5.鑑 別顔面チック,光過敏性を示すほかのてんかん症候群.6.治 療ミオクロニー発作と欠神発作の治療を行う.VPA,ESM,LTG,CZP,CLB.閉眼による眼瞼ミオクロニーはほとんどの場合難治で,生涯続く.光過敏性は,しばしば中年で消失する. 3 Lennox-Gastaut症候群1.概 念1~7歳(ピークは3~5歳)で発症する.複数の難治な発作(特に睡眠時の強直発作だが,脱力発作,非定型欠神発作も起こる),認知および行動障害,脳波で広汎性緩徐性棘徐波,rapid Lennox-Gastaut症候群 3Fp1-A1Fp2-A2F3-A1F4-A2C3-A1C4-A2P3-A1P4-A2O1-A1O2-A2F7-A1F8-A2T3-A1T4-A2Fz-A1Cz-A1ECGA1 sec100μVFp1-A1Fp2-A2F3-A1F4-A2C3-A1C4-A2P3-A1P4-A2O1-A1O2-A2F7-A1F8-A2T3-A1T4-A2T5-A1T6-A2Fz-A1Cz-A1Pz-A1BECGEOG1 sec1 sec100μV図7-16  ミオクロニー脱力発作てんかん,間欠期脳波A:脱力発作が主だった1歳の睡眠時,B:ミオクロニー発作が主だった13歳の覚醒時75第7章 ILAEのてんかん症候群

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