2494言語聴覚士ドリルプラス 機能性構音障害
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読み解くためのKeyword63解答第4章 機能性構音障害の環境調整ホームワーク 言語聴覚士が行う訓練は,頻度や時間に限りがある。よって,言語聴覚士との1対1の訓練だけでは,なかなか効果があがらない。そこで,ホームワークにより,訓練の頻度や時間を確保することにつながり,適切な内容であれば量のみならず良質な訓練となって効果があがる。しかし,内容や方法が不適切であれば,いくら頻度を上げ時間を費やしたからといってもホームワークの効果は期待できない。また,訓練効果があがらないだけではなく,構音操作の誤学習につながるおそれもあるため,ホームワークの導入には注意が必要である1)。ホームワークの目的①訓練量の確保1) 訓練量が多いとその分効果も期待できる。週1回程度の訓練だけでは学習内容は定着しにくい。よって,ホームワークを実施する。②訓練への意識づけ1) 訓練室だけでなく,自宅や保育園・幼稚園,学校などでも訓練を実施することで,より訓練を習慣化することが可能となる。課題の選択と基準①課題の選択1) ホームワークで提供する課題は,言語聴覚士が訓練で行っている内容の中から選択する。ホームワーク用として新しい課題を設定し提供することはない。訓練時に不十分であっても,ホームワークで回数を重ねることで確実に課題をクリアできるようになると,対象児も養育者(保護者)もモチベーションの持続にもつながる。②課題の設定基準1) 課題の難易度に関しては,訓練時に7~8割程度の正答率の内容をホームワークとして提供する。これくらいの正答率であれば,対象児の動作理解も高まっていることが考えられる。訓練時に習得できた動作がホームワークを重ねてできなくなったということを避けるためにも,誤学習のリスクが少ない正答率の内容を提供する。ホームワークにおける注意事項①ホームワークは,毎日継続して行うことが望ましいが,重要なことは習慣化してもらうことであるため無理強いをしない。②ホームワークを何回実施したかが視覚的に確認できるように,スタンプやシールなどの台帳を用いると,対象児もやりがいを感じられ言語聴覚士も確認しやすい。③ホームワークで正答率が5割以下に低下した場合は,誤学習のリスクも考慮しいったん中止することも重要である。1 ①頻度,②時間(①,②は順不同),③訓練量,④学習内容,⑤習慣化,⑥不適切,⑦誤学習2 ⑧新しい課題,⑨訓練,⑩7,⑪83 ⑫毎日継続,⑬無理強い,⑭視覚的,⑮5

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