2497動画で学ぶTCR
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損傷を避けるため慎重な切削とならざるを得ません.このため,少しずつ薄い切片で削ることになり効率が落ち,穿孔を恐れて控えめな切除になり筋腫の残存が起こりがちになります.また,切削開始時には栄養血管が少ないのですが,筋層に近づくと血管起始部からの出血が手術操作を滞らせます.<筋腫核剥離向中心切削法>①③②④筋腫の立ち上がり部から剥離上向きループで筋腫の奥から切削剥離が進み筋腫が押し出される完全に剥離し鉗子で搬出筋腫核剥離向中心切削法は剥離を先に行い,剥離した漿膜側筋層を背にして筋腫の外側から子宮腔の中心に向かって切削を進めます.剥離により漿膜側筋層が収縮し筋腫の突出率が高まり菲薄化した筋層が厚くなるので,効率的で安全な切削が可能となり,削りすぎと削り残しが起こりません.剥離時に栄養血管の離断と止血ができるので出血も少なくなります.TCRの筋腫剥離法は,筋腫筋層境界を切離し,ビークまたはループ電極で筋腫を押し,筋腫を転がすようにして剥離する 「前進剥離法」という手法と,Lin式剥離電極やMazzon cold loopのような剥離専用の特殊なデバイスを用い,筋腫筋層境界に分け入り押し広げる手法があります.筆者のRoBEEMは凝固蒸散用として繁用されている一般的なローラーボール電極を用い,筋腫偽被膜と筋腫を剥離するものです.●●ローラーボール電極WA22251Aは,矢印のようにボールを支えるシャフトに角度がありますローラーボール電極が筋腫剥離において優れる理由は,①滑り摩擦が転がり摩擦に転換され筋腫筋層総論総 論25

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