2503助産師と研修医のための産科超音波検査 改訂第3版
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11 妊娠11週ごろまでの超音波検査は,ほとんど経腟法で施行される。経腹法で観察されるのはおよそ妊娠12週以降である。したがって,ここでは経腟法を中心に超音波検査について解説する。妊娠初期に観察すべき主な事項は以下のとおりである。①正しい部位に妊娠しているか。②胎児の心拍を認めるか。③胎児の大きさと妊娠週数の関係は正しいか。④単胎か多胎か。⑤児の重大な構造異常はないか。⑥子宮や卵巣の形態に異常がないか。子宮内に心拍のある普通のサイズの赤ちゃんが1人か。POINTPOINT経腟法の落とし穴 経腟法は近くにあるものはよく見えるが,遠くにあるものは見えない。したがって,むしろ触診で簡単に触知できるような大きい腫瘤を見落とすようなことがある。また,卵巣の皮様囊腫など,超音波の反射が強いものも見落としやすい。胎児を1人みつけると,そこにだけ集中して多胎を見落とすこともある。内診をおろそかにしない,まず骨盤内全体をスキャンするといったことを習慣にすることが大切である。妊娠初期の超音波検査2

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