2503助産師と研修医のための産科超音波検査 改訂第3版
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16①胎囊(gestational sac:GS)が出現する:妊娠4~5週②胎囊内に卵黄囊(yolk sac)が出現する:妊娠5週ごろ③卵黄囊に接して胎芽が出現し,心拍が確認される:妊娠5~6週④胎児としての形態がはっきりしてくる:妊娠7週以降胎囊,卵黄囊,心拍,胎児の順番で見えてくる。POINTPOINT 以下,妊娠週数による超音波画像の変化を概説する。1.妊娠4~5週の超音波所見 脱落膜化した子宮内膜が,高輝度なエコー像として子宮体部中央に存在し,その中に着床した胎囊が袋状に観察されるようになる。胎囊内は画面上暗い無エコーで,周囲は高輝度な帯に包まれている。この高輝度の帯はwhite ringとよばれる(図8)。子宮内の正しい場所に胎囊が確認されれば,異所性妊娠(子宮外妊娠)はほぼ否定できる。注意点としては,子宮の内腔に液体が貯留して,胎囊様に見える場合がある。これは偽胎囊(pseudo GS)である。胎囊様の構造物が子宮内膜内に存在すれば真の胎囊であり,内腔に存在すれば偽胎囊であるが(図9B,p.25図15B),鑑別困難なことが多い4)。この場合は経過を観察し,大きくなっ図8  妊娠5週脱落膜化し肥厚した子宮内膜内に,胎囊を認める。胎囊は,子宮内膜よりわずかに高輝度の絨毛膜に包まれている。よく見ると,低エコーで弯曲した子宮内腔も認められる。頸部体部脱落膜化した子宮内膜無エコー領域高エコーの帯(white ring)子宮内腔胎囊

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