2505高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版 2022年追補版
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 『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第3版)』1)はGRADE法を基本とした公益財団法人日本医療機能評価機構EBM医療情報事業(Minds)のガイドライン作成法2014 ver. 2.0を基に作成されている.本ガイドライン(第3版)の作成過程は以下の通りである.まず,日本痛風・核酸代謝学会(現:日本痛風・尿酸核酸学会)の評議員から応募されたPICOフォーマットの高尿酸血症治療に関する重要な臨床課題をガイドライン作成委員のステアリングチームが27個のPIC形式のクリニカルクエスチョン(CQ)と各CQの益(期待される効果)と害(有害な事象)のアウトカム(介入によって生じる結果)に整理し,ガイドライン作成委員のスコープ担当チームがデルファイ法を用いて投票により上位7つのCQを最終的に選んだ.文献検索は日本医学図書館協会が行い,その解析と評価は各CQのアウトカムごとにシステマティックレビューチームがシステマティックレビューとメタ解析を行うことで文献検索時のバイアスを排除した.エビデンス総体の評価をアウトカムごとのエビデンスの強さで客観的に示し,患者の価値観や希望と医療経済の観点を入れて推奨の強さと方向性を作成委員の投票で決めた.高尿酸血症・痛風の疫学・診断・治療に関しては高尿酸血症・痛風の診療マニュアルで示すことにより実地医療に対応できるガイドラインとして2018年12月末に発刊された.本ガイドライン(第3版)の評価はMindsによりAGREEII(The Appraisal of Guidelines for Research and Evaluation II)に基づいて行われ,高い評価を受けた.発刊後の診療ガイドラインを普及させるために,書籍やダイジェスト版の出版,英語版の発行,学会のホームページでの一般公開,学会でのシンポジウム,Mindsのホームページとリンクした患者用Q&Aが開設された.表1のようにガイドライン(第3版)発刊後2019年から学会のホームページへのアクセスが増加していることがわかる.今後もレセプトデータベースなどの他の指標を含めて普及効果を検討していく予定である.治療ガイドライン普及の効果指標11『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第3版)』の現状と今後の課題総論第章1表1学会ホームページのアクセス回数年間(アクセスされたページ数)年間(アクセスした人数)月平均(アクセスされたページ数)月平均(アクセスした人数)2018年度(2018/4/1~2019/3/31)75,440PV28,490UU6,287PV/M2,374UU/M2019年度(2019/4/1~2020/3/31)93,482PV 32,096UU7,790PV/M2,675UU/M2020年度(2020/4/1~2021/3/31)108,377PV42,639UU9,031PV/M3,553UU/M2021年度(2021/4/1~2021/7/26)51,684PV28,274UU12,921PV/M7,069UU/MPV:ページビュー(アクセスされたページ数),UU:ユニークユーザー(アクセスした人数),M:ひと月当たり.新規項目2

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