2527脳血管内治療の進歩ブラッシュアップセミナー2021
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149ラウンドテーブルディスカッション ディベート 私はこうする(1)と言えるというメリットがある.あと再開通に関しては1回完全閉塞してしまえばFDは再発はほとんどないですが,SACはちょっとネックのところが出てくるということになると思います.一番問題なのは再開通したときにステントアシストやコイルを入れることはテクニック的にできるわけですけれども,FDの場合は重ねるか,やらないと思いますがPAO(母血管閉塞)をするという話になってしまう. 自験例をお話しします.未破裂で5 mmから9.9 mmですね.要は10 mm未満の内頚動脈のParacli-noid動脈瘤で,いままで私はステントアシストで94例,FDで33例やってきました.10 mm以上の瘤はまた話は別ですので,今日はそれは考えないでいただきたいと思います.年齢とかサイズとか男女比はあまり大きな問題はないですね.これはステントアシストをした私の症例の数なんですけれども,一番多いのはventral sideが多いです.あといわゆる膝部みたいなところが非常に多いということになります(表3). ほとんどサイズとかネックの広さとか年齢とか性別とか変わりないです.一番悪いのはタイプの1bといって,Ophthalmicよりも少し離れてて,dorsal sideのやつはちょっとやっぱり成績が悪い.あと意外だったのはventral sideにあるのも実は自分がへたくそなのかわからないですが,成績が少し悪かった.意外といいのが膝部と眼動脈そのものが関与しているやつです(表4). 最終的な完全閉塞をみると,ステントアシストで膝部はよくて,悪いのは1b,要するにサイフォンから離れているやつは少し悪い.眼動脈に関与しているか膝部に近いものはかなり閉塞率が高いけども,取り立てて悪いのは,背側にある上向きのやつで,ventral sideにあるのも少し悪い.合併症に関してはnが少ないのでそれほど数はなかった(表5). FDについてはPREMIERとFREDしかないので,まだnはないですが,一番多いのは膝部が入っているもので,次がventral sideです.大きさ,ネックほとんど変わりません(表6).■サイフォンから離れた症例にはFD フォローアップではTypeII,ventral side向きのやつは5例中4例完全閉塞です(表7).逆に膝部のや石井 暁 先生大石英則 先生石原秀行 先生FDSACCoiling/w/o Stent抗血栓療法(多剤抗血小板療法)必須必須原則,不要瘤内操作不要(術中破裂リスクなし)必須必須治療直後からの破裂予防効果乏しい(術後破裂のリスクがゼロではない)有有再開通極めてまれ少ない多い再開通時の追加血管内治療PAOFD追加(コイル追加の選択肢がない)コイル追加PAOFD追加コイル追加FD追加PAOSAC/FDどちらも長期間のDAPT(TAPT)が必要なら,どっちがよいか?表2  小型(5~9mm)未破裂内頚動脈近位部瘤に対するFDとSAC/Coilimgの違い

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