診断と治療
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わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る. 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点. 連載「視診で見抜く!皮膚疾患の診かた」「注目の新薬」など. 増刊号も毎回シャープな切り口と実際的な内容が大好評. 2色刷のビジュアルな誌面. |
2023年 Vol.111 No.7 2023-07-04
食道癌・胃癌・大腸癌,最近の診療を知る
定価:2,970円(本体価格2,700円+税)
ねらい 今枝博之
◆総論
消化管癌の疫学と危険因子 津金昌一郎
日本における消化管がん検診の現状と課題 間部克裕,他
消化管癌における放射線画像診断の進歩 白神伸之
◆食道癌
食道表在癌の内視鏡診断 吉井俊輔,他
食道表在癌の内視鏡治療 平澤 大,他
食道癌の集学的治療 坊岡英祐,他
食道癌の化学・放射線療法 宗 英一郎,他
◆胃癌
早期胃癌の内視鏡診断-H. pylori感染別の背景粘膜に応じた胃癌診断- 貝瀬 満,他
早期胃癌の内視鏡治療 屋嘉比聖一,他
胃癌の外科手術 柴崎 晋,他
切除不能進行・再発胃癌の薬物療法 熊西亮介,他
◆大腸癌
早期大腸癌の内視鏡診断 田中秀典,他
早期大腸癌の内視鏡治療-早期大腸癌の適応拡大と手技の進歩について- 草加裕康,他
大腸癌の外科手術 隈本 力,他
大腸癌の化学療法 濱口哲弥
◆トピックス
消化管癌における内視鏡AIの進歩 小澤毅士,他
消化管狭窄に対するステント治療 日原大輔,他
連 載
視診で見抜く!皮膚疾患の診かた
蜂窩織炎はどれか? 梅林芳弘
注目の新薬
マンジャロ®皮下注(チルゼパチド) 濵崎暁洋,他
近年,食道癌,胃癌,大腸癌,といった消化管癌の診断,治療は急速に進歩しております.原発巣は内視鏡診断が中心となり,画像強調観察,拡大観察により存在診断から質的,量的診断も精確性が向上し,さらにはartificial intelligence (AI)による内視鏡診断も導入が始まっています.胃がん検診には内視鏡検診も導入されるようになり,がん発見率の向上が期待されております.そして進行度の診断のためには放射線画像診断はきわめて重要な役割を担っており,3DCTやCT colonographyにより病変の部位,形態や血管構築に関しても詳細な解析が可能となっております.
治療としては早期癌に対する内視鏡治療において内視鏡的粘膜下層剝離術が標準治療となり,処置具の開発や手技の工夫により安全,確実な手技として進歩し,内視鏡治療の適応も徐々に拡大されております.一方で外科手術においては鏡視下手術が広まり,さらにはロボット手術も保険収載されて,徐々に普及してきております.より深部の精細な操作が可能となり,遠隔医療や教育の面でも今後さらに発展することが期待されます.また,化学療法も分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場により化学療法のレジメンも日進月歩で進歩しています.さらにはこれらの治療を組み合わせた集学的治療の有用性も明らかとなっております.
そこで本特集号では消化管癌の最近の進歩,知見について各専門家の先生にわかりやすく解説していただきました.初めに総論として消化管癌の疫学と危険因子,消化管がん検診,放射線画像診断をとりあげ,続いて各論として,食道癌,胃癌,大腸癌の順に内視鏡診断・治療,外科手術,化学療法,集学的治療に関する最近の進歩について解説していただき,最後に内視鏡AI診断と消化管ステント留置術について最新の知見を交えて解説していただきました.
本特集号が諸先生方の明日からの日常診療の一助となりましたら幸いに存じます.
埼玉医科大学消化管内科
今枝博之