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書籍詳細

受け入れに自信がつく!
医療的ケア児保育・教育ハンドブック診断と治療社 | 書籍詳細:医療的ケア児保育・教育ハンドブック

白梅学園大学子ども学部教授

小林 美由紀(こばやし みゆき) 編著

埼玉医科大学総合医療センター小児科教授

森脇 浩一(もりわき こういち) 編著

初版 B5判 並製 176頁 2024年02月15日発行

ISBN9784787826404

定価:2,860円(本体価格2,600円+税)
  

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医療の進歩により日常的に医療的ケアが必要な子どもが増え,2021年には医療的ケア児支援法が制定されました.今後は,多くの保育施設や学校で医療的ケア児受け入れの検討をしていく必要があります.しかし,受け入れにあたっては「どんな配慮が必要なの?」「必要なケアって?」等の疑問や不安をもつ方も多いと思います.そんな疑問や不安を本書が解消!受け入れに必要な環境整備や対応については具体的な事例を,主な医療的ケアには実施動画を紹介しながら,わかりやすく解説しました.医療的ケア児受け入れの際に必読の1冊!

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目次

Sちゃんの保育園でのある1日
はじめに
編集・執筆者一覧
動画再生方法 

Chapter 1 医療的ケア児とは 
1 医療的ケア児ってどんな子どもたち?
2 医療的ケア児の成長と発達の特徴を知ろう
3 どんな医療的ケア児がいるの?
4 医療的ケア児支援法を知ろう
5 医療的ケア児の現状を知ろう
6 誰がどこまでケアを行えるの?~さまざまな職種の役割~
7 医療的ケア児を受け入れる保育・教育施設職員の育成

Chapter 2 環境を整備しよう 
1 自治体の支援体制を知ろう
2 就学前(保育所・幼稚園・こども園)
A 受け入れ準備をしよう
B 具体的な整備方法を確認しよう
3 就学後(小中学校・特別支援学校)
A 受け入れ準備をしよう
B 具体的な整備方法を確認しよう
4 放課後(学童保育・放課後等デイサービス)
A 受け入れ準備をしよう
B 具体的な整備方法を確認しよう

Chapter 3 医療的ケアの実際を知ろう 
1 健康観察のポイント
2 口腔内・鼻腔内の吸引
3 気管カニューレ内の吸引
4 エアウェイ
5 ネブライザー
6 胃ろう・腸ろうによる経管栄養
7 経鼻経管栄養
8 導 尿
9 人工肛門
10 インスリン持続注入と血糖値測定
11 与 薬
12 酸素投与
13 人工呼吸器
14 中心静脈栄養
15 腹膜透析
16 体調変化時の対応
17 経口摂取の介助
18 ポジショニング

Chapter 4 医療的ケア児の保育・教育の現場 
1 就学前
A 医療的ケアの支援と配慮
B 友だちへの影響・将来を見据えた支援
2 学校教育
A 医療的ケアの支援と配慮
B 友だちへの影響・将来を見据えた支援
3 医療的ケアと緩和医療

Chapter 5 家族支援を考える 
1 保護者へのサポート
2 きょうだいへのサポート
3 社会的サポート

索引

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序文

【はじめに】

20年前には医療的ケア児という言葉を聞くこともありませんでした.この5年くらいの間で,いわゆる成育基本法が成立し,医療的ケア児支援法につながり,さらに医療的ケア児支援センターが各都道府県に設置されるようになり,医療的ケア児についての新聞記事も目にするようになりました.そういった中,医療的ケア児が一般の保育施設や学校に入ってくる機会も増えています.
今回,診断と治療社からお話をいただき,保育関係者・教育関係者向けに医療的ケア児についての解説書を上梓するに至りました.執筆者は第一線で医療的ケア児の対応にあたっている人にお願いし,実際的な内容を平易な言葉で伝えることに努めました.また,写真や動画も使ってわかりやすくなっているのではないかと思っています.動画の作成にあたっては,医療型障害児入所施設カルガモの家のスタッフの方々にお世話になりました.また医学的な内容については,埼玉医科大学総合医療センター小児科医局員,小児外科の先生方にもお手伝いいただきました.この場を借りて御礼申し上げます.
この本が保育関係者・教育関係者の役に立つことで,日本中の医療的ケア児が保育施設や学校で有意義な時間を過ごせるようになることを願っています.
2023年11月 森脇浩一


【はじめに】
随分長いこと医療的ケア児は,当事者と家族とその関係者だけで対応してきました.それだけに,2021年に制定された医療的ケア児支援法により,ようやく自治体レベルでの動きがみられだしたのは,ささやかな前進です.一方,医療の進歩によって,日常的に医療的ケアが必要な子どもが増えているということは,医療者にとってはジレンマでもあります.成長段階にある子どもたちとともに,私たちに何ができるのか,ご家族の負担によって支えられてきた在宅生活を多くの方々と共有することの必要性を痛感しています.子どもたちは日々成長しており,環境によって,子どもたちの発達が異なってくるということもしばしば経験することです.医療的ケア児の生活の場を広げることで,地域社会のあり方やご家族の関係性も変化していくかもしれません.
それだけに,乳幼児期の集団生活や学童期の教育は大切な時間でもあり,ご家族が付き添っての集団生活ではなく,子ども同士の切磋琢磨の関係性こそに大きな意味があるでしょう.同時に,さまざまな子どもが集団生活を一緒にしているということは,地域で生活をする子どもたちの将来にも大きな意義があると思います.
今回,医療的ケア児の保育,教育の場をさらに広げられるようにと,関係する方々だけでなく,これから受け入れを考えている方々にも参考になるように,多くの現場で携わっている方の協力を得て,このハンドブックを編みました.埼玉医科大学総合医療センターを中心とする小児在宅研究会に関係した方々や,実際に医療的ケア児にかかわった方々に執筆をお願いできたことに,心より感謝申し上げます.さらには,大変な毎日を過ごしながらも快くご協力くださった医療的ケア児とそのご家族の皆さまには,本当に頭が下がる思いです.
医療的ケア児とかかわっているさまざまな方とお会いしながら,どなたも「現状をよりよいものにしていきたい」という気持ちが熱い方ばかりなのが印象的でした.子どもたちの活動範囲を広げていくためには,まだまだ整備していかなければならない課題も数多くあると思います.その一つ一つを越えていこうと思っている方々がともに繋がろうとしている力は,ひとえに子ども達の力とご家族の想いに寄ることが多いのではと思います.医療的ケア児に限らず,多様性のある子どもたち一人ひとりを大切にしてともに生活することは,成長期の子どもたちの可能性をさらに育てていくことになり,未来の充実した共生社会を創成していくことにほかなりません.
このハンドブックの発行にあたっては,多くの方のご協力と診断と治療社の方々のきめ細かな配慮がありました.ここで,改めて御礼申し上げます.
これからさらに多くの子どもたちの物語を紡いでいくこと,そのために私たちがいっそう力をあわせてインクルーシブ社会を実現できれば,望外の喜びです.
2023年11月  編著者として 小林美由紀