外来診療のための糖尿病・内分泌疾患ベストプラクティス診断と治療社 | 書籍詳細:外来診療のための糖尿病・内分泌疾患ベストプラクティス
奈良県立医科大学糖尿病・内分泌学講座 教授
髙橋 裕(たかはし ゆたか) 責任編集
徳島大学大学院医歯薬学研究部産科婦人科学分野 教授
岩佐 武(いわさ たけし) 編集
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科総合内科学 教授
大塚 文男(おおつか ふみお) 編集
藤田医科大学医学部内分泌・代謝・糖尿病内科学 教授
鈴木 敦詞(すずき あつし) 編集
金沢大学医薬保健研究域医学系内分泌・代謝内科学分野 教授
篁 俊成(たかむら としなり) 編集
国立国際医療研究センター病院糖尿病内分泌代謝科 診療科長
田辺 晶代(たなべ あきよ) 編集
獨協医科大学埼玉医療センター糖尿病内分泌・血液内科 教授
橋本 貢士(はしもと こうし) 編集
初版 A5判 並製 404頁 2024年12月13日発行
ISBN9784787826534
定価:6,930円(本体価格6,300円+税)冊
高血圧や糖尿病,骨粗鬆症や甲状腺機能低下症など,内分泌代謝領域の外来で遭遇する頻度の高い32疾患に絞って,エキスパートが外来のノウハウを詳細に解説.病態から,具体的な処方例やフォローアップすべき検査,専門医への紹介のタイミング,さらに知っておくとレベルアップ間違いなしのコラムまで盛りだくさんの内容.明日からの外来診療に役立つヒント満載で,日々のルーチンが生まれ変わります!
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目次
序文 髙橋 裕
編集者・執筆者一覧
本書で使用する略語一覧
Part 01 診断学総論―エキスパートはここを診る!
外来診療の心構え 髙橋 裕/岩佐 武/大塚文男/鈴木敦詞/篁 俊成/田辺晶代/橋本貢士
外来診療 指南の工夫 髙橋 裕/橋本貢士
問診ではこれを聞く!総合内科にはこんな内分泌疾患が潜んでいる 中野靖浩,大塚文男
身体診察はここを見ろ! 二川原 健
内分泌検査をオーダーする時の注意点 西山 充
糖尿病・内分泌疾患の検査の読み方のコツと治療の際に大切なこと 髙橋 裕
Essential Comment 内分泌代謝疾患における漢方薬のコツ 浅羽宏一
Essential Comment コロナ禍で変化した?…内分泌外来診療 大國皓平,大塚文男
Part 02 頻度の高い糖尿病・内分泌疾患32を徹底解説!
1 糖尿病・内分泌コモンディジーズ
1.高血圧症 曽根正勝
Essential Comment 糖尿病患者の降圧療法のコツ 曽根正勝
2.脂質異常症 前澤善朗,横手幸太郎
3.2型糖尿病 岩岡秀明
4.1型糖尿病 及川洋一,島田 朗
5.妊娠糖尿病 荒田尚子
6.肥満症 堀川 修,齋木厚人
Essential Comment 減量指導のコツ 堀川 修,齋木厚人
Essential Comment 外科治療の適応は? 堀川 修,齋木厚人
7.代謝機能障害関連脂肪性肝疾患/脂肪肝炎(MASLD/MASH) 篁 俊成
8.高尿酸血症・痛風 藏城雅文
9.骨粗鬆症 鈴木敦詞
10.低ナトリウム血症 椙村益久
11.低カリウム血症 方波見卓行
12.カルシウム・マグネシウム異常 槙田紀子
2 甲状腺・副甲状腺疾患
13.甲状腺中毒症 橋本貢士
14.甲状腺機能低下症 渡邊奈津子
15.甲状腺結節 岡村律子
16.副甲状腺機能亢進症(原発性,二次性),副甲状腺機能低下症 鈴木敦詞
3 副腎疾患
17.副腎偶発腫 一城貴政
18.原発性アルドステロン症 横田健一,曽根正勝
19.副腎性Cushing症候群 伊澤正一郎
20.褐色細胞腫・パラガングリオーマ 田辺晶代
21.Addison病 柴田洋孝
4 下垂体疾患
22.高プロラクチン血症 大月道夫
23.先端巨大症 髙橋 裕
24.Cushing病 福岡秀規
25.下垂体機能低下症 山本雅昭
26.成人成長ホルモン分泌不全症 髙橋 裕
27.中枢性尿崩症 萩原大輔,有馬 寛
5 性腺疾患
28.無月経 金崎春彦
29.多囊胞性卵巣症候群 岩佐 武
30.更年期障害 寺内公一
31.男性性腺機能低下症 副島佳晃,大塚文男
32.女性化乳房 森田浩之
索引
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序文
本書を手に取っておられるのは,これから糖尿病内分泌疾患の外来診療を始めようという若い先生,あるいは,なんとなくこれまで外来診療をやってきたけれど,ふとこれでよいのだろうかと感じた先生でしょうか.また若手を指導している先生,ベテランの先生もいらっしゃるかもしれません.
専門医研修においては,そもそも系統だった外来のトレーニングというものはなく,思い起こせば私自身も外来診療でいきなり担当を割り振られ,よくわからないけれどとりあえずdo処方から,という感じでなんとなく経験を積んできたというのが実際のところで,そのような先生も多いのではないかと思います.今は陪診もなくなったので,エキスパートの先生がどのような外来を行っているのか,みたこともない先生も多いのではないかと思います.
世の中にはガイドブックがたくさんあり,それらの違いもわかりにくいのですが,糖尿病・内分泌疾患の外来診療にフォーカスしたガイドブックはあまりありません.さらに重要なのは,糖尿病・内分泌疾患診療は外来がメインであり,外来で完結してしまうことも多いので,研修医や専攻医が入院患者さんを中心にみていても学べないことがたくさんあるという点です.
私自身,これまで専門医機構認定の「内分泌代謝・糖尿病内科領域専門医研修ガイドブック」の編集に携わる機会があり,内容は充実したものができたのですが,その際に外来診療のノウハウを書ききれていないことに気づきました.そのような状況を踏まえて,診断と治療社の担当の方と相談して企画したのがこの「外来診療のための糖尿病・内分泌疾患ベストプラクティス」です.編集代表として,私が外来初心者だったらぜひ購入したいと思うような多くの工夫を行いました.
まず各分野の診療のエキスパートのなかから,豊富な経験と臨床力があるベテランの先生を厳選して編集に携わっていただき,それぞれの先生方に「外来診療の心構え」を書いていただきました.これは予想を超える素晴らしい内容で,私自身大変勉強になりましたし,これを読むだけでも,本書を買っていただく価値があると確信しております.さらに,実際に外来診療の指導を行っている先生の具体的な方法やコツも記載していますので,指導医にとっても参考になるかと思います.
「Part 01 診断学総論」では,実践的に役立つ内容が満載です.私自身も「内分泌代謝疾患の検査の読み方のコツと治療の際に大切なこと」で通常の教科書を読んでもわかりにくい,しかし大切なホルモン値の読み方,治療の考え方のエッセンスについて執筆しました.その他にも,「内分泌代謝疾患における漢方薬のコツ」や「コロナ禍で変化した?…内分泌外来診療」など,普段なかなか学べない項目があります.
疾患については頻度の高い32の糖尿病・内分泌疾患に絞り,しっかり読み込めば明日からの外来に早速役立つように,詳細に解説をしていただきました.コモンディジーズである高血圧,糖尿病,脂質異常症,肥満症,骨粗鬆症,脂肪肝なども,まさに通常の教科書には書かれていない,エキスパートの外来のノウハウが書かれています.また,ルーチンにフォローアップすべき検査なども具体的に記載しました.
さらに,知っておくとワンステップレベルが上がる各疾患のエッセンス,トリビアを含めたコラムを充実させました.「妊娠初期に妊娠糖尿病(GDM)を診断し,介入するべきか?」「慢性低ナトリウム血症に潜む罠」「偽性褐色細胞腫に注意」「ホルモン補充療法(HRT)の課題」など,思わず読んでみたくなる内容が満載です.
本書はガイドラインや教科書とともに読んでいただくと,知識とノウハウの両方が身について初心者でも安心して外来診療に臨めるだけではなく,ベテランの先生にとっても多くの気づきがあるものになったと自負しております.そして本書が多くの先生方のお役に立ち,ひいては,より質が高く患者さんの満足度も高い診療への一助になれば,それ以上の喜びはありません.
最後になりましたが,私の意図を汲んで素晴らしい構成をしていただいた編者の先生方,原稿を執筆していただいた著者の先生方,多くの注文にご対応いただいた診断と治療社の皆さま,とくに担当の福島さんに心から感謝を申し上げます.
2024年10月
編集代表 奈良県立医科大学糖尿病・内分泌内科学講座 教授
髙橋 裕