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書籍詳細

Child Health Books

子どもの発育・発達と乳幼児健診診断と治療社 | 書籍詳細:子どもの発育・発達と乳幼児健診
育児サポートにも大活躍!

かずえキッズクリニック 院長

川上 一恵(かわかみ かずえ) 編集

初版 B5判 並製 288頁 2024年10月25日発行

ISBN9784787826589

定価:4,950円(本体価格4,500円+税)
  

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発育・発達を知るものが健診も診療も制す!! Chapter1では子どもの発育・発達をイラストを多く用いてわかりやすく解説し,続くChapter2では乳幼児健診の評価や保健指導のポイントを説明します.さらに,Chapter3では保護者に伝えたい育児のポイントをかわいいイラスト満載で掲載!!こちらはHPからダウンロードしてそのまま保護者に手渡せます!かゆいところに手が届くChild Health Books第一弾,ここに誕生!!

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目次

はじめに    川上一恵
執筆者一覧

Chapter 1  健康な乳幼児の発育・発達
①  身体発育    磯島  豪
②  身体機能の発達
 1  神経系    山中  岳
 2  感覚器系:視機能    林  思音
 3  感覚器系:聴覚・平衡感覚    守本倫子
 4  感覚器系:味覚    山本  隆
 5  呼吸・循環系    稲井  慶
 6  消化器系:口腔機能    石﨑晶子,弘中祥司
 7  消化器系:消化吸収機能    清水俊明
 8  消化器系:排便機能    工藤孝広
 9  腎・泌尿器系    大友義之
 10  内分泌・代謝系    松原洋平
 11  運動系    帖佐悦男
③  こころの発達    作田亮一,大谷良子

Chapter2  乳幼児の健診
①  2週間児健診    金子淳子
②  1か月児健診  公費(基礎自治体事業)    佐山圭子
③  2か月児健診  三平  元
④  3~4か月児健診  公費(基礎自治体事業)    糸数智美
⑤  6~7か月児健診  公費(基礎自治体事業)    小池明美
⑥  9~10か月児健診  公費(基礎自治体事業)    佐藤英子
⑦  12か月児健診    増田英子
⑧  1歳6か月児健診  法定健診    松村有香
⑨  2歳児健診    中村裕子
⑩  3歳児健診  法定健診    南  征樹
⑪  4歳児健診    伊藤晴通
⑫  5歳児健診  公費(基礎自治体事業)    川上一恵
⑬  6歳児健診    板金康子

Chapter 3  育児支援
①  おっぱい・ミルク    瀬尾智子
 ・赤ちゃんの空腹のサインに合わせて授乳しよう
②  抱っこ    佐山圭子
 ・首すわり前でもこれで抱っこが楽になる!
③  頭の形・タミータイム    草川  功
 ・頭の形をよくするために
④  生活リズム~生後3~4か月頃には睡眠覚醒リズムの確立を目標に~    星野恭子
 ・赤ちゃんの睡眠リズムの変化を理解しよう
⑤  抱っこ紐・ベビーカー    柳井優佳奈
 ・抱っこ紐・ベビーカーを上手に使おう
⑥  食物アレルギーの予防    西村龍夫
・食物アレルギーの予防
⑦  離乳食
 1  初期食(5~6か月頃)    太田百合子
 ・離乳初期の食事
 2  中期食(7~8か月頃)    堤ちはる
 ・離乳中期の食事
 3  後期食(9~11か月頃)    川口由美子
 ・離乳後期の食事
⑧  幼児食    太田百合子
 ・幼児の食事
⑨  事故予防
 1  誤飲・誤嚥    伊藤友理枝
 ・誤飲・誤嚥に注意!
 2  溺水    大平智子
 ・自分事に考え実行!  溺水予防
 3  やけど    植松悟子
 ・やけどの予防のために!
 4  交通事故・自転車    川上一恵
 ・交通事故を予防しよう!
 5  誘拐,性犯罪    舟生岳夫
 ・連れ去り,犯罪から子どもを守ろう
⑩  疾病予防
 1  パンデミック後の予防接種の進め方    藤森  誠
 ・忘れていませんか?予防接種
 2  熱中症予防    淺木弓英
 ・子どもは熱中症にかかりやすい!大人がしっかり予防しよう
⑪  ホームケア
 1  スキンケア    堀向健太
 ・乳幼児のスキンケア
 2  紫外線(UV)ケア    松井照明
 ・日焼け止めの使い方
 3  解熱薬の使い方    田中純子
 ・熱はお子さんを守る反応です  熱が出てもあわてなくて大丈夫!
 4  嘔吐したとき    岡村暁子
 ・嘔吐のときこのような症状があったら医療機関を受診しよう
 5  薬の飲ませ方①    富野浩充
 ・薬を飲んでくれない!そんなときは?
 6  薬の飲ませ方②    富野浩充
 ・発達段階ごとの薬の飲ませ方
 7  軟膏・クリームのぬり方    川上一恵
 ・適量をぬろう
⑫  指しゃぶりの歯列への影響と対応    佐々木洋
 ・指しゃぶりの歯への影響と対応方法
⑬  イヤイヤ期への対応    髙祖常子
 ・子どもとのコミュニケーションのポイント
⑭  ことばの発達を促す
 1  絵本    松崎行代
 ・親子で楽しむ絵本
 2  うた・遊び    松崎行代
 ・わらべうたとことば遊び
⑮  乳幼児と運動    春日晃章
 ・親子で楽しく運動遊びをしてみよう!
⑯  おむつ外し    鈴木千琴
 ・子どもと一緒におむつ外し  トイレでの排泄を学ぶ3つのステップ
⑰  自尊感情を高める    伊藤晴通
 ・子どもの自尊感情を育てよう
⑱  入園・入学準備    田草雄一
 ・入園・入学の前に

付    録
①  体重のパーセンタイル値
②  身長のパーセンタイル値
③  頭囲のパーセンタイル値
④  胸囲のパーセンタイル値

文献一覧
索  引

Column
 極低出生体重児&早産児の発育    江原伯陽
 集団健診会場での親子の観察ポイント    大矢公江

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序文

はじめに

私がまだ研修医だった頃,指導医から健診実施にあたり「正常を知らなければ,病気の診断もできないし,適切な指導もできない」と教示を受けました.そして『ノーマルチャイルド』(ロナルド・スタンレー・イリングワース著)という書籍を読むように勧められました.『ノーマルチャイルド』は,健康な子どもの発育発達という視点から書かれていました.そして乳幼児にみられるさまざまな課題の考え方,指導についても記されていました.
現在,わが国では母子保健法12条に基づき,1歳6か月と3歳の健康診査(以下,健診と略す)が義務として実施されています.その他に,乳児期前期(3〜6か月)と後期(9〜11か月)の健診は,同13条により任意ですが公費で実施されています.2024年1月に,こども家庭庁は3年間という時限措置ではありますが,1か月児健診と5歳児健診への公費助成を開始しました.
近年,健診についての基本的な考え方が変化しています.身体診察だけでなく,心や子どもを取り巻く社会的な状況にも目を向け指導や支援を行うbio-psycho-socialな健診の実施が求められています.公的な健診では,行政から配布されている健診票の項目を埋めることに終始している医療機関も少なからず認められます.psycho-socialな領域はどのように診て,判定し,指導したらよいかわからないという声を耳にします.
医師会や日本小児科医会で乳幼児保健に関する委員会にかかわらせていただくなかで,『ノーマルチャイルド』のような健常発達を知ることができ,さらに育児支援にも役立つ書籍をつくりたいと思うようになりました.このようななか,「Child Health Books」シリーズ刊行と,その1冊目として子どもの発育・発達と健診をテーマにした書籍企画のお話をいただきました.
少子化対策として「子育て支援」という言葉が聞かれます.保育所を増設したり,学費の補助が実施されたり,いろいろな施策が打ち出されています.保健所や医療機関における健診時の指導や小児科の一般外来における指導は「子育て支援」の1つになるのではないでしょうか.Chapter 1は乳幼児の健常発育・発達を,Chapter 2は各月齢,年齢の健診のポイントを,Chapter 3では乳幼児をもつ保護者にぜひ伝えたい育児のポイントを,各分野で活躍されている先生方に記していただきました.Chapter 3は子育て支援の一助となるよう,左ページはテーマについての解説を記載し,右ページは保護者に手渡せるようにイラストを入れて読みやすく仕上げています.そして右ページについては,ウェブサイトからダウンロードできます.
本書は医師だけでなく保健師,看護師,保育士など子どもにかかわる多職種の方の役に立つと考えています.本書が皆さまの一助となり,多くの子どもたちと保護者の笑顔につながることを願っています.

2024年7月
かずえキッズクリニック院長 川上一恵





「Child Health Books」
刊行のことば

1998年に雑誌「チャイルドヘルス」が創刊して四半世紀が経ちました.この間,編集委員の先生方とともに,子どもにかかわる医療者,支援者の皆さまに役立てていただける雑誌づくりに邁進してきました.私たちには,医学という枠を超え,職種の垣根を超えた,子どもの保健と育児に関する幅広く確かな情報をお伝えできてきたという自負があります.
しかし同時に,日々の診療や支援に直結するテーマをもっと掘り下げて,現場でより活かせる内容を届けることはできないか,という想いも抱いていました.
子どもにかかわる課題はいつの時代も尽きることはなく,しかも,年々変化していっています.10年前の常識が現在では非常識となるような,刻々と変わる状況を理解し,課題をときほぐし,支援につなげていく必要があります.
そんな想いをかたちにしたのが,新たに発刊する書籍シリーズ「Child Health Books」です.「育児・保健を科学的,実践的に扱う」という雑誌「チャイルドヘルス」の理念はそのままに,“より深く,より具体的に,よりわかりやすく”,を追求し,それぞれの分野のエキスパートが現場から導き出した,理論と実践を結びつけた実用的な内容を執筆.現場の課題解決に直結する一冊をお届けすることを目指しています.
「こんな視点,やり方があったのか」「この職種の人に相談してみるのもよいかも」,そんなふうに,このシリーズが,新たな気づきのきっかけとなり,明日からの現場に活かしていただけることを,そしてすべての医療者,支援者の皆さまのお役に立ち,子どもたちの健やかな成長と幸せに貢献できることを,心から願っています.

2024年10月
診断と治療社