2639災害時子ども支援ハンドブック「子どものいる家庭での備え」
2/8

234 ● 子どもの薬 ● スマホ用モバイルバッテリー ● ホイッスル(危険を知らせる用.濡れていても使えるよう球が入っていないもの) ● ヘッドランプ(子連れは両手が空くと作業が楽) ● 車の給油(半分以下になったら早めに給油しておく習慣を!) ● 保存袋・ラップCh a pter 1最も大切,平時の備え …… ②患者・家族の備え16なるべく使い慣れたもので準備災害時にはついつい特別なものを準備しなくてはいけないのでは,と思いがちです.しかし,使い慣れていないものは思わぬトラブルの原因となりえます.たとえば,アルミブランケットを含むブランケットや柔らかい布は,乳児では窒息リスクがありますし,電池類も交換の際には誤飲などのリスクがあります.普段使いで勝手がよくわかっているもので代用できればそれに越したことはありません.子ども自身が防災準備に参加する災害に備える準備は,保護者が中心になって行うことになりますが,小学生以上の子どもがいる場合には,可能なら「子どもも準備に参加する」とよいことを伝えましょう.子どもに準備を手伝ってもらう過程で,なぜその物品が必要なのか子ども自身が理解できれば,災害が起こったときに物品の場所を子ども自身も把握でき,納得して行動できるからです.また,テントをもっている家庭では「家の中にテントを張ってみる」ことで,避難生活をイメージさせたり,「家の中を真っ暗にしてみる」ことで停電になったらどうすればいいのか,考えてもらうのもいいでしょう(図 1).子どもにとってはちょっとした遊びになるので喜んで参加してくれるかと思いますが,そのような経験はいざというときの予行演習としても役立ちます.母子手帳(親子手帳)の写しを取っておく母子手帳(親子手帳)には,予防接種歴や成長発達の記録がぎゅっと詰まっています.避難時にもち出せればベストですが,急いで避難するときなど,それができない場合もあります.あらかじめスマホで写真を撮っておく(スマホに関しては停電に備えて充電器の確保も忘れずに)とよいでしょう.停電に備えて紙のコピーもあるとよいかもしれません.小児科医の立場からは,特に「出産の状態」「乳幼児身体発育曲線」「予防接種の記録」のページの写しを取っておくことを指導しています.

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る