約 120 の国や地域で活動しています.* 1 セーブ・ザ・チルドレンは,子どもの権利のパイオニアとして約 100 年の歴史をもつ,子ども支援専門の国際 NGO(非政府組織)です.日本を含む 29 か国のメンバーとともに世界どもたちのウェルビーイング促進に役立っていると報告しています 1).2011 年の東日本大震災以降,わが国でもさまざまな支援団体が被災地支援でこの活動を行っています.日本語では,こどもひろばやキッズスペース,子どもにやさしい空間など,よび名は多様ですが,活動の目的はほぼ同じです(図 1).子 ど も 支 援 の 国 際 NGO セ ーブ・ザ・チルドレン* 1 が,過去の災害支援活動の一環として運営したこどもひろばで,子どもたちにさまざまな変化がみられました.「津波が来る」といって積み木を倒したり,鉄棒を揺すって「地震だ,地震だー」と叫んだり,「 お 家 が ぺ っ ち ゃ ん こ ー, 車 がぺっちゃんこー」といって粘土を潰して遊んだりなど,災害をテーマにした「災害ごっこ」(図2).遊びの内容がショッキングであるため,はじめて災害ごっこを見た支援者は戸惑い,なかには「不謹慎だ」と遊びを止めてしまうケースもありました.しかし,認知発達の途中である子どもたちは,自分の身の回りで起きていることを自分の体験に基づいて限定的にしか理解できません.災害ごっこは,子どもが現実に起きていることと理解のギャップを想像力で埋めたり,起きた出来事を整理するための重要なプロセスです.したがって,支援者は図 1 熊本地震で開設されたこどもひろば〔写真提供:セーブ・ザ・チルドレン〕図 2 災害ごっこCha pter 3災害時の子どもへの支援108被災地のこどもひろばから
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