株式会社 診断と治療社

診断と治療 最新号

  • わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る.
  • 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点.連載企画も充実.
  • 増刊号も毎回シャープな切り口と実臨床に役立つ内容が大好評.
  • 2色刷のビジュアルな誌面で読みやすい.

雑誌「診断と治療」2021年 Vol.109 No.3 輸液療法の基礎と実践

定価:
2,860円(本体価格 2,600円+税)
在庫:
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掲載論文

ねらい 小川純人

◆水・電解質・酸塩基平衡異常とその補正
水・電解質異常,酸塩基平衡の異常 小松 純,他
輸液製剤とその選び方 和田健彦
ナトリウム異常症とその補正 伊藤雄伍
血清カリウム濃度異常とその補正 浅川信一郎,他
酸塩基平衡障害とその補正 安田 隆

◆各疾患・病態における輸液療法
重症感染症・敗血症に対する輸液療法 下野謙慎,他
脳血管疾患に対する輸液療法 土井研人
熱中症・脱水に対する輸液療法 三宅康史
肝疾患における輸液療法 持田 智
糖尿病患者に対する輸液療法 吉村 將,他
心疾患患者に対する輸液療法 波多野 将
腎疾患・腎不全患者に対する輸液療法 細井達矢

◆栄養輸液・輸液管理とその実際
中心静脈栄養法と末梢静脈栄養法 井上善文
リフィーディング症候群とその対策 飯島正平
高齢者に対する輸液とその管理 中神太志
終末期(人生の最終段階)における輸液療法 大屋清文
在宅医療における輸液とその管理 長野宏昭

座談会
本邦における低栄養の実態とこれからの栄養管理のあるべき姿 提供:医薬品経腸栄養剤研究会

連 載
◎症例を俯瞰する総合診療医の眼
関節リウマチが疑われた44歳女性 原田愛子,他
◎注目の新薬
キャブピリン®配合錠(アスピリン/ボノプラザンフマル酸塩配合剤) 河合 隆
◎医療裁判の現場から
認知症患者の胃瘻造設に際しPEG施術中に家族の同意を得て開腹に切替えたが,術後約5時間後に死亡した事例 笠間哲史

総 説
LEADER試験におけるリラグルチドの安全性および有効性:主解析および追加解析のレビューと日本人患者における臨床的意義 室原豊明

ねらい

 内科,外科,救急外来,地域医療をはじめ,様々な日常臨床や研修の現場において,短時間のうちに疾患や病態と水・電解質・酸塩基平衡異常との関連性を把握し,輸液療法の選択に至るといった場面によく遭遇する.その一方で体系的に学ぶ機会は意外と少なく,苦手意識を持つ医療スタッフも少なくない.加えて,患者の高齢化が進む中で,急性期病院,療養型病床,介護施設,診療所,在宅など,様々な診療・ケアの場が提供され施設間連携も進むようになってきており,急性期・超急性期から人生の最終段階まで,各診療・ケアのステージや施設場面ごとの輸液療法の方針・考え方について理解することも一層重要になってきている.さらにまた,感染症,脳血管疾患,脱水症,肝・腎・心疾患,糖尿病をはじめとした様々な疾患・病態に即応した効果的な輸液療法を選択する状況も増えてきている.
 本特集では「輸液療法の基礎と実践」と題して,輸液療法にまつわる体系的かつ新たな理解と実践的な治療の推進を目指してまとめられた.その中では,「水・電解質・酸塩基平衡異常とその補正」「各疾患・病態における輸液療法」「栄養輸液・輸液管理とその実際」の章が設けられ,水・電解質・酸塩基平衡異常や輸液療法に関する診療や研究に従事する幅広い方々を対象に,各分野のエキスパートの先生方より,基本的な考え方から最新の知見・トピックスや将来展望に至るまで,わかりやすく解説いただいた.とりわけ本特集では,水・電解質・酸塩基平衡異常や輸液療法の基礎,遭遇頻度の高い疾患や病態における輸液管理などについて,実際的な輸液・点滴メニューの例が多く紹介されている点も強調しておきたい.本特集によって,輸液療法とその重要性に関する理解が一層進むとともに,日常診療において輸液療法を積極的に活用する契機となり,ひいては最新知見に基づく輸液療法の実践や更なる臨床・研究の発展につながれば幸いである.

東京大学大学院医学系研究科老年病学
小川純人
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